今日も点滴、「増補書藪巡歴」(ちくま文庫 林望)

 昨晩、息子夫婦が徳島にやってきた。午後6時10分着の飛行機の予定だったが、45分も遅れた。年末なので仕方が無いか。我が家に帰る途中の「山かつ」で食事を済ませた。
 昨日も健生病院に行ったが、今日もまだ蕁麻疹が引いていなくて痒いので、点滴に行くことにした。早く治ってほしいものだ。
 「増補書藪巡歴」(ちくま文庫 林望)を読んだ。私も大学では国文学科に学んでいたが、彼の名前は知っていたが、書誌学者だとは知らなかった。全く浅学の私である。今年読んだ本も少なかったが、その中でもいちばん感銘を受けた。学問に対する真摯な姿勢が伝わってくる文章であった。テレビに出演したり、源氏物語を訳したり、エッセイを書き小説を書き、多彩な著者であるようだが、やはり本職の書誌学がいいのだろう。
 江戸時代の教養人にとって、「古文真宝」と「三体詩」は必読文献のようであったが、我が家にあるのは、朝日文庫の「三体詩」全4巻の内の第1巻のみであった。著者はその書斎を「日知齋」と名づけているが、そうなったいきさつを書いた「『覆醤集』のこと―石川丈山『隠者のうたごごころ』」での中国の学者とのやりとりが楽しい。「日知」とは、「書を読めば日々新に知るところがある」という意味で、成る程とうなずける書斎名である。

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良寛歌集(東洋文庫556 平凡社
○いづくより春は来ぬらむ柴の戸にいざ立ち出でてあくるまで見む
○月雪はいつはあれどもぬばたまのけふの今宵にあんほ如かずけり
○埋火に手たづさはりて数ふればむ月もすでに暮れにけるかな
○ひさかたの雲居をわたる雁がねも羽白妙に雪や降るらむ
○雪の夜にねざめて聞けば雁がねも天つみ空をなづみつつゆく