B型肝炎訴訟裁判傍聴、阪急古書のまち、魯迅全集第7巻(全647p 偽自由書 准風月談 花辺文学)読了、

 昨日(25日)は大阪地裁でB型肝炎訴訟裁判があったので傍聴してきた。傍聴席には80人余りが来ていた。今回の意見陳述者は、除斥期間20年の不当性と起算日認定の不当性を訴え、改善を求めた。
 原告番号1761番の40歳代後半の男性は、19歳で軽度の肝硬変と認定された。大学では土木科に学び、大手ゼネコンに就職したが、病気のため希望していた現場では仕事ができず、やむなく転職した。そして2010年10月1日に重篤な肝性脳症を発症した。彼は、こう陳述している。「そして平成22年10月1日に肝性脳症で救急搬送されたのです。この日、これまで無断欠勤したことがない私が出勤せず、携帯電話をしても連絡が取れなかったことから、心配した当時の上司が私の様子を確認しに来てくれたのです。上司は、私のマンションに到着して自宅前から何度も電話をしたりインターフォンを押したりしたものの反応がなかったことから、マンションの下から3階にある私の部屋の窓に向かって何度も私の名前を呼んだそうです。10分から15分くらい呼び続けたものの、全く反応がなかったため、不安に思い警察を呼ぼうか、と考えていたところ、私が窓から顔を出したとのことです。」しかし、「話がかみ合わないので、おかしくなって飛び降りでもしないかと心配になり、救急車を呼んで下さったそうです。」彼は、救急車に乗った覚えはあるが、その後の記憶はない。
 弁護団も彼のことについて最終弁論を行ったが、そこでは「肝性脳症の発症とその後の脾臓摘出を伴う手術」が行われた。」と言っている。19歳のときの軽度の肝硬変から、質的に全く異なる重大な状態に陥ったのに、彼が肝硬変と診断された1991年を起算点として国が主張しているのは、「一般的な社会常識、社会正義に反するものですし『質的に異なる損害が発生した時点をもって除籍の起算点とする』という最高裁において確立した判例法理にも明らかに反する」として、B型肝炎特措法の形式的な病態区分に拘泥する国の主張にとらわれることなく、国賠法の趣旨に沿った公正な判断を」裁判長に求めた。
 今朝の徳島新聞には小さい記事ではあるが、この裁判に関する徳島のことが書かれていた。この日、全体で86名が和解したがそのうち3名が徳島であった。
 土成から梅田に往復する高速バスの中で、「NHKラジオ おもてなしの中国語」を読んでいたら、NHKの朝の番組「まんぷく」に関する記事が出ていた。上巻の第20回で「わかって欲しい!日本のこと ラーメン2」である。日本語訳の一部を紹介する。「インスタントラーメンは1958年、台湾出身の日本人、安藤百福が発明しました。麺の水分をなくすために、彼は油で揚げる方法を採用しました。これは、奥さんが天ぷらを揚げているのを見て思いついたと言われています。後略」

 淀屋橋にある裁判所に梅田から行くには、途中で「阪急古書のまち」の前を通るので、つい立ち寄ってしまう。今回購入したのは、「書店の棚 本の気配」(佐野衛 亜紀書房 2012年)、「上海物語」(丸山昇 集英社 1987年)、「強制連行中国人殉難労働者慰霊碑 資料集」(日本僑報社 2016年)、「川上澄生全集」(全14巻 但し第14巻:川上澄生全詩集は欠 中公文庫 1982年〜1983年)。大変、重かった。


 この頃は、真面目に魯迅全集を読んでいるので、一昨日魯迅全集第7巻を読み終えた。とにかく、漢字辞典、中国語辞典をそばに置いて読まないと、理解できない言葉だらけである。

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良寛歌集(東洋文庫556 平凡社
◯月かげの清きゆふべに梅の花折りてかざさむきよき夕べに
梅の花いま盛りなりひさかたのこよひの月に折りてかざさむ
梅の花折りてかざしていそのかみ古りにしことをしのびつるかも
梅の花こよひの月にかざしてば春は過ぐとも何か思はむ
◯霞立つながき春日をこの宿に梅の花見て暮らしつるかも