証言 沖縄「集団自決」
証言 沖縄「集団自決」―慶良間諸島で何が起きたか (岩波新書)
- 作者: 謝花直美
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/02/20
- メディア: 新書
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沖縄ではこのことに抗議して昨年10月1日に、11万人の抗議集会がひらかれた。昨年10月10日の徳島新聞社説でも、「それまでの教科書検定では、集団自決が日本軍の強制によるものとの記述を認めてきた。それにもかかわらず、今回の検定でいきなり、『強制』の削除を求めたことに無理があったのではないか。沖縄県民が反発したのは当然である。」と指摘している。
本書は、凄惨な戦争の生存者たちが、歴史を書き換えようという動きに抗って、当時の実相や現在の思いを証言している。「集団自決」というと、住民の意思で自決したと感じるが、実際は軍の強制による「強制集団死」であったことが理解される。軍隊が存在することがいかに残酷なことを生じさせるか、憲法9条の存在意義が理解される本である。裁判の元になった大江健三郎の「沖縄ノート」も再刊された(岩波新書)。