IMAGINE NINE

IMAGINE NINE
イマジン9 想像してごらん、戦争のない世界を。

 憲法9条の改正論議が、高まってきている。自民党・財界主導で日本がアメリカに従って戦争のできる国にするには、憲法9条が邪魔と言うわけだ。
 このことに対して大江健三郎梅原猛ら9名が、「9条の会」アピールを発し、全国で「改憲」の企てを阻むための訴えをしたのが、2004年6月10日だ。
 表題の本は、昨年12月1日に合同出版(1,000円)から出された。文は星川淳(グリーンピース・ジャパン事務局長)と川崎哲(NGOピースボート共同代表)、絵は成瀬正博(画家)である。うれしいことに、宮沢りえが本の帯にこんな一文を寄せている。「心から愛する人を一瞬にして灰にしてしまう原爆とゆう悪魔を、憲法9条とゆうエネルギーと私たちの強い想いで、この地球から追い出せたらいいのにな。」

 9条にちなんで、9つのメッセージを世界各国の人の想いも寄せて提起している。
「想像してごらん、世界から戦争のなくなった平和な世界を」と読者に呼びかけて。
① 想像してごらん、軍隊のお金をみんなの暮らしのために使う世界を。
② 想像してごらん、武器をつくったり売ったりしない世界を。
③ 想像してごらん、おたがいに戦争をしないと約束した世界を。
④ 想像してごらん、武器を使わせない世界を。
⑤ 想像してごらん、基地をなくして緑と海を取りもどしていく世界を。
⑥ 想像してごらん、女性たちが平和をつくる世界を。
⑦ 想像してごらん、戦争にそなえるより戦争をふせぐ世界を。
⑧ 想像してごらん、ひとりひとりの安全を大事にする世界を。
⑨ 想像してごらん、9条がゆきわたった世界を。

60ページ足らずの本であるが、自らが平和を獲得するために、自分の頭で考えることの大事さを伝えてくれる。装丁と絵が、和やかに気持にさせてくれていいですね。

絵の成瀬正博は「週刊新潮」の表紙絵を描いているので、見た方も多いだろう。愛媛県今治市のタオル美術館にも彼の絵が何点か掲示されている。住んでいる長野県の松川村でも「松川村9条の会」の一員として活動している。

本のタイトルの「イマジン」はビートルズジョン・レノンの「イマジン」からきているのだろうか。この歌は1971年に作られた。当時はアメリカのケネディ大統領が始めたベトナム戦争が泥沼化して、世界各地で反戦運動が広がっていた。当時大学生であった私も反戦デモに何回か参加した。