上海物語

 上海市旅遊事業管理委員会のホームページでは、下記のように紹介されている。
 『上海は「滬」又は「申」と略称されています。北緯31度14分、東経121度29分中国東海岸の中心部に位置し、揚子江流域の出入口でもあります。気候に恵まれ、四季の変化もあきらかで、年間平均気温18℃、平均降雨量は約1240ミリです。
 中央直轄市である上海は、中国最大の経済と貿易の中心地であり、総合的な工業基地かつ中国第一の港を持つ沿海開放都市であるとともに、歴史文化の都市でもあります。全市の総面積は6341km2、人口が1600万人、また、東部に位置する浦東新区の面積は523km2です。
 上海は歴史上繁華な都市風貌を持ち、豊富な人文資源で国内外にその名を馳せています。この数年来に新築された東方明珠タワー、上海博物館、上海大劇場、上海科学技術館上海新天地、上海サーカスセンターなど、近代的な息吹に満ち溢れたその新景観と多彩で内容豊富な上海観光祭、及び上海中国国際芸術祭等の祭事は、国内外の数多くの観光客を魅了し続けています。
 インフラでは水路、陸路、空路が整備され、国内外約40の航空会社は、上海始発便を300本強運行、鉄道網では上海発着の列車が毎日約80本運行されています。また、南京、杭州、寧波への高速道路が開通、浦東国際空港も開港して、年間客運総量は述べ2,000万人にも達しており、現有の虹橋国際空港を合わせ、総客運量は3,000万人にも及びます。
 その他にも、地下鉄一号線、二号線、モノレール(第一期)及び市外区と近郊及びその周辺の観光都市に繁がる十数本の観光コースも用意され、更なる利便性と快適性を提供してゆきます。』
 「上海物語」は1987年に集英社から刊行されている。今から21年も前だから、上記の紹介と大幅に変わっている。もっとも、行ったことはないが。著者の丸山昇は中国近現代文学の研究者。魯迅の研究家としても名高い。

1667 上海物語 国際都市上海と日中文化人 (学術文庫)

1667 上海物語 国際都市上海と日中文化人 (学術文庫)

 丸山昇の著書を読むのは、これが4冊目。「魯迅 その文学と革命」(平凡社 東洋文庫)今はいくらするのか知らないが、43年前は350円。魯迅研究にとっては必読文献の一つである)「現代中国文学の理論と思想 文化大革命と中国文学覚書」(日中出版 1200円 1974年 文化大革命に対し批判的な立場から書かれている)「ある中国特派員 山上正義と魯迅」(中公新書 400円 1976年)
魯迅―その文学と革命 (東洋文庫 (47))

魯迅―その文学と革命 (東洋文庫 (47))

 魯迅は1936年10月に上海で亡くなっている。戦前の上海には外国の租界が沢山あって、上海の歴史は欧米や日本による中国の半植民地化の象徴であった。激動の上海で生きてきた魯迅郭沫若などの文学者であり革命家であった人々、内山完造や佐藤春夫などの日本人が入り混じって登場する。昔読んだ中国の小説家の名前もふんだんに出てきて、生き生きと混乱の社会が活写されている。
 上海物語にも登場する芥川賞作家の林京子は、1931年から45年まで上海に居住した。長崎で被爆して、その体験を「祭りの場」という小説にしている。上海での体験も小説にしているので、そのうちに読んでみたいと思う。
 先日、用事があって徳島に行った。紀伊国屋書店で見つけたのが、「宣伝謀略ビラで読む日中・太平洋戦争」(柏書房・9,975円)。大判でカラーの図版が沢山入っている。以前紹介した市ノ瀬俊也の「戦場に舞ったビラ」を本格的にしたものであった。買いたかったが、財布の中が乏しく諦めた。代わりに購入したのが「病が語る日本史」(2002年 講談社の文庫版)。著者の本は、以前「絵で読む江戸の病と養生」(講談社 2000円 2003年)があるがまだ読んでいない。
病が語る日本史 (講談社学術文庫)

病が語る日本史 (講談社学術文庫)