大江戸浮世絵暮らし

 

 著者の本では「新聞錦絵の世界」を先に読んだ。楽しかったので、表題の本も購入した。
 著者によると、浮世絵は芸術ではない。「浮世絵は芸術という考え方を捨てて、報道であった、情報であった、遊びであった、日用品であった、雑誌であった、あるいはコマーシャリズムであったということから、もう一度再点検していくと、浮世絵はおそらくいままでの展覧会でとりすましたようなかたちの、額縁のなかにおさまっているものではなく、日本人の心、あるいはどういうところに私たちの原点があるのかということまで探っていける素材になると思います。」と語っているが、浮世絵の中で絵師が凝らしている工夫を感じるのは楽しいことで、庶民にとっては気軽に接することのできる、娯楽と言ってもいいのだろう。
新聞錦絵の世界 (角川文庫)

新聞錦絵の世界 (角川文庫)

 昨晩、満月美人が今年初めて咲いた。一晩しか咲かないこの花を、月下美人と共に20数年来見てきているが、これまた楽しいものである。部屋中に匂う芳香もよろしい。