恍惚病棟

 30数年間、病院・薬局に勤務していたので、医学・医療をテーマにした小説もかなり読んだ。推理小説ではロビン・クックパトリシア・コーンウェルが面白かった。題材の扱い方も新鮮で文章もよかった。そんなわけで、それらの小説が300冊余り蔵書目録にあった。
 そののうちの一冊が「恍惚病棟」である。10年ほど前に購入していたのを、引っ張り出して読んだ。文章も荒削りで物語の進行にも不自然さが見られた。著者がそれまでの得意とする分野(もっとも他の分野の小説は全く読んだことがない。医療をテーマに扱っているという、ただそれだけの理由で購入したものだ)と違っているせいか、無理があるようだ。「ナース」という小説でも感じたが、中途半端な結末であった。

恍惚病棟 (ハルキ文庫)

恍惚病棟 (ハルキ文庫)

時間つぶしにはよいのだろう。