「江戸の縁起物」 浅草仲見世 助六物語 と 守大助支援の総会

江戸の縁起物――浅草仲見世助六物語

江戸の縁起物――浅草仲見世助六物語

 浅草にある江戸趣味の小玩具を扱っている「助六」の主人の話と、その玩具の写真が満載の楽しい本である。
 本の帯には「江戸からの豆おもちゃがみなさまに福を招きます」と書かれていて、縁起のいいおもちゃ200点が掲載されている。
 浅草に行った時に必ずと言ってよいほど立ち寄るのが、この「助六」と手ぬぐい屋の「染の安坊」「ふじ屋」である。
 ふじ屋では大津絵のてぬぐいなど昔ゆかりのデザインが多いが、染の安坊は新しいデザインが多い。浅草からも見えるスカイツリーの手拭も置いてあった。
 助六は間口1間ほどの小さな店だが、人ひとりがやっと通れるような店の通路の両側の棚には、おもちゃがあふれかえるように並べられている。外国人もこんなおもちゃに興味があるのか、立ち寄ってじっと見ている観光客もいる。
 助六のおもちゃはどれも大変小ぶりだが、丁寧な作りで見ていて飽きない。小さいからといっても価格はそれなりで、すぐ数千円もする。従って、我が家には10点ほどしかない。もうすぐ雛祭りなので、玄関先に高さ2センチほどのお雛様を飾ってある。ウサギのカップルが杯の上に坐っているお雛様が二つあったのだが、見当たらない。多分二つあったので一つを娘か姪にやって、その後もまだ二つあると思って、これもやってしまったのだろうと思う。可愛いウサギのお雛様であった。


 写真は、お雛様ととんだりはねたり。とんだりはねたりの裏には1989年11月19日購入と記してあった。


 今日は、守大助さんを支援する徳島の会の第7回総会があったので、主催者の一人として参加した。守さんのご両親は、仙台から車で12時間かけて参加した。二人の訴えは、息子を思う真情が伝わるものであった。
 役員改選があって、福島の震災復興のため、夫婦で戻るS会長に代わって、私が会長の大役を仰せつかった。
 夕方からは懇親会。19人が参加した。そこではご両親から裏話を聞いたが、全く杜撰な捜査の実相や蔭で支援してくれている人々のこと、大変ななかで二人が全国を走り回っていることが改めて知らされた。


上の写真は、総会で訴える守さんのご両親


 以下は、総会で決議された仙台地方裁判所あての決議文と、私の新役員を代表してのあいさつ。


仙台地方裁判所
 担当裁判官殿
                       2012年2月18日
                「守大助さんを支援する徳島の会」第7回総会

   仙台北陵クリニック筋弛緩剤えん罪事件の再審開始を求める決議

 2月10日、仙台北陵クリニック筋弛緩剤えん罪事件の無実の受刑者守大助さんは、仙台地方裁判所に再審開始請求の申し立てを行いました。
 守大助さんが患者さんの点滴に筋弛緩剤を混入したとされた2001年1月から、早や11年が過ぎました。当時29才だった守さんも40才になってしまいました。人生の一番大事な時期をえん罪によって過ごさなければならなかったことは、彼にとっては全く理不尽で無念なことでしょう。 
 守大助さんは仙台地方裁判所での裁判当初から、この事件には全くかかわりがなく無実を主張してきました。しかし、残念ながらこれまでの審理では守さんの主張をいっさい認めることなく、千葉刑務所で受刑を余儀なくされています。
 現在、全国26か所で守大助さんを支援する会が結成され、守さんのえん罪を晴らす活動が進められています。私たちも、毎月の役員会ごとに徳島駅前での宣伝行動を行なったり、各種集会で守さんのえん罪を訴えてきて、市民の理解も進んできています。また、昨年7月に広島で開かれた日本母親大会では、1万5千人の母親に守さんのえん罪を訴えることができました。
 私たち「守大助さんを支援する徳島の会」では、一貫して守さんのえん罪を晴らすための活動を続け、今日で7回目の総会を迎えました。総会では守大助さんのご両親を迎えてお二人の切実な訴えを聞いて、守さんの無実を一層確信しました。また会員が350名を越え、今年度は400名を目標にしようと誓い合いました。総会ではさらに多くの方に守さんのことを知ってもらい、えん罪を晴らす運動を進めようと決意を新たにしました。
 守大助さんは、私たちの総会に寄せたメッセージで、「上告が棄却され、今月25日で4年になります。無実の受刑囚として生活していますが、胸中は複雑な気持ちでいっぱいです。どうして郁子医師の指示に基づいて、点滴・処置をしただけなのに“筋弛緩剤を混入した”犯人にさせられてしまうのか。私はやっていません。再審請求が近づいています。徳島から仙台地裁へ声を出して下さい。私を両親の元に帰らせて下さい。助けて下さい。」と訴えています。
 最近でも、布川事件足利事件などで、再審開始・無罪が確定して、社会的にも大きな問題となっています。守さんの事件もこれらと同じえん罪事件です。私たち「守大助さんを支援する徳島の会」では、今総会の名において、一日でも早く守大助さんをご両親のもとに帰せるよう、守大助さんの再審開始決定を一刻も早く実現させて下さるよう求めます。
                     右、決議する。




  守大助さんを支援する徳島の会第7回総会での新役員を代表してのあいさつ
 本日は、厳しい寒さの中、第7回総会にご参加下さりありがとうございました。
 今年の総会は、守大助さんが2月10日に仙台地方裁判所に再審請求を行った直後に開かれるという、大変大事な総会でした。そのうえ、守大助さんのご両親がはるばる遠い仙台の地から徳島まで来て、守大助さんの支援を訴えられるということもあり、必ず総会を成功させなければならないということで、役員先頭に頑張ってきました。お陰さまで、皆さまの温かいご支援で成功させることができ、感謝申し上げます。また、守さんご夫妻の訴えは、私たちの会の必ずやえん罪を晴らさなければならないという気持ちを、一層燃え上がらせました。お二人にはどうもありがとうございました。
 さて、報告されたとおり、3月20日には各地の支援する会が仙台に集まって、「仙台筋弛緩剤えん罪事件全国連絡会」が結成されます。私たちはこの連絡会に結集し、全国の力を寄せあって、再審開始決定を勝ち取り、守さんがこの総会に寄せられたメッセージのとおり「私を両親の元に帰らせて下さい」という、全く当たり前の願いを実現させようではありませんか。
 本日の総会では徳島の会の大変優れて指導的でもあり、なにごとにも積極的でもあった会長の佐藤典子さんが、福島での震災復旧のために、ご夫婦で福島に戻られるということで私が会長に選出されました。微力な私ですが、今後とも会へのご協力をお願い申し上げます。佐藤さんが徳島を離れることは、徳島の会としては非常に残念なことですが、これもまた大事な仕事です。佐藤さんの今までのご活動に感謝申し上げるとともに、福島でのご活躍をお祈りしたいと思います。佐藤さん、どうもご苦労様でした。これからも福島の地で私たちの活動を見守って下さい。
 最後になりますが、今回選出された役員一同は、守大助さんの一日も早い再審開始決定と、無罪確定を求めて活動を続けますので、引き続き会の活動への積極的なご参加をお願いして、新役員を代表してのあいさつに代えさせて頂きます。どうも長時間の総会へのご参加、ありがとうございました。
  



俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
 ○須磨の浦には 今里の子が 吹くや青葉の 麦の笛
 ○岩間隠れの 躑躅(つつじ)でさへも 燃ゆる思ひの 色に咲く
 ○意気な刈萱(かるかや) 仇めく桔梗(ききょう) そして風情な 女郎花(をみなべし)