中国旅行2 九寨溝・黄龍・成都・楽山大仏

 今回の中国旅行で購入した本は、豆本2冊。成都空港内の書店で見つけた。
 縦8㎝、横6.4㎝で写真のように、和綴じ風にしてあり、玉の付いたひもがしおり代わりになっている。中国古典などを選んで、その抜粋が解説入りで載っている。
 「図珍本小墨香書」と題したシリーズのこの本、全部そろえると22冊あるようだが、金が無いので購入したのは「論語」「三字経」だけ。出版発行は湖南美術出版社。更に調べると、略称:湘美は1980年5月に設立された、中華人民共和国の美術作品の出版社であるとあった。


 1冊10元(145円ほど)のこの本、280ページもあり小さいが中身は充実している。  論語孔子の言葉を弟子がまとめたものだが、三字経は中国・南宋の王応麟の編と伝えられる字書で、児童用の識字教科書である。昔、これで漢字や経典の精髄を学んだのだ。

 大修館書店ホームページ「漢字文化資料館」の、加藤敏先生の訓読・通釈・注によると、最初の文は以下のとおりである。

 人之初  人(ひと)の初(はじ)め
 性本善  性(せい)本(もと)善(ぜん)
 性相近  性(せい)相(あひ)近(ちか)し
 習相遠  習(なら)ひ相(あひ)遠(とほ)し

【通釈】人が生をうけたそのはじめ、人の性はもともと善である。本性は相似かよっているものの、習慣によって遠く隔たってしまう。
【注】○性本善=本性はもともと善である。『孟子』告子上に「人性の善なるや、猶ほ水の下きに就くがごときなり。人に善ならざるもの有ること無く、水に下らざるもの有ること無し。」とある。○性相近、習相遠=『論語』陽貨に「子曰く、性相近きなり、習ひ相遠きなり。」とあるのに基づく。

 この豆本の訳文では、人が生まれてきた時は、みな善良である。しかし、成長する過程の環境は同じでないので、性情がよくも悪くもなる、とあった。
 解読では、「人之初 性本善」の出典は孟子から、「性相近 習相遠」は論語からとここでも示してある。絵や図なども入り、興味をそそられる。



 黄龍を登る時、高度が3,500mもあるので、写真のように1回1元で酸素吸入できる施設がある。


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
 ○年が寄っても 耄碌(もうろく)しても 嫁に杓子は 渡されぬ
 ○添うて八年 子も有る仲じゃ 嫁に杓子を 渡さんせ
 ○愛憐(いと)し我が子も 嫁取りゃ憎い 嫁は前生(ぜんせ)の 敵(かたき)やら