中国旅行3 九寨溝・黄龍・成都・楽山大仏と徳島県への申し入れ

 中国を旅行すると、やたら大きな看板に書かれているスローガンが目につく。横10m以上もあるだろうか。今回は、九寨溝黄龍空港を出たところに、大きな看板が10ほどあった。企業の宣伝もあるのだが、やはり目立つのは政府の広告。

 2008年5月12日に四川大地震が起こり、私たちが旅行したところは震源地からは離れたところだが、いくつかその惨害の影響がみられた。。地震による死者は約7 万人、行方不明者は約2 万人、負傷者は約37 万4000 人にのぼり、被災者総数が4,624万人に達する大震災であった言われている。
 宿泊したホテルでは、まだ募金のお願いがしてあったり、ツアーの一環として強制的に連れてこられた宝石店(勿論何も買わないが)でも、親を亡くした遺児への援助の看板が見られた。写真の看板も、四川大地震に関するスローガンか?
 中国では、高速道路の建設も積極的に進められてる。そこで日本と違うのは、高速道路上にある橋。橋にある看板は日本だと交通情報が基本なのだが、中国では企業の宣伝広告ばかり。この広告収入は一体どこに入るのだろうか。体制は社会主義(?)という資本主義中国では、どう処理しているのだろうかと気になった。
 高速道路を出ると、男性がA3版程の紙に何かを書いて持って立っている。ヒッチハイクで車に乗せてもらうための表示かと思った。しかし、どう見てもさえない男性を乗せる車があるはずが無い。よくよく見ると、書かれているのは道案内という表示であった。中国ではまだカーナビが普及していないのであろう。また地方から大きな都市(成都市は人口1,100万人と現地ガイドの蒲さんは言っていた)に来る人も多く、道案内をすることで生活が成り立つ人もいるのだろう。

 月曜日(4日)はB型肝炎訴訟相談会の一環として行う、医療講演会への講師の先生に大阪から来た弁護士とあいさつと打ち合わせ。今日(7日)は徳島県に対し、B型肝炎ウイルス検査の普及を求める要望などを行った。ここには県内の原告、徳島肝炎の会の近藤事務局長、大阪弁護団2名が参加した。テレビ(NHK・四国放送)や新聞社(徳島新聞・朝日・読売)の取材があった。この報道をきっかけとして、多くの被害者が提訴に踏み切ってくれることを望んでいる。私のほかにもう一人参加した原告がテレビの取材に協力してくれたが、こういう人がもっと多くなればB型肝炎被害の救済も進むだろうと思った。明日は、大阪で裁判がおこなわれるが、国が4,100名を越える現在の提訴者の救済を更に急速に進めることを期待したい。
 徳島県は、未だにB型肝炎ウイルスの無料検査を保健所でしかしていない9県のうちの一つである。肝がんの死亡率が全国第17位の徳島県(私が患者会を始めた33年前は肝硬変・肝がんの死亡率は毎年全国1位か2位だった。肝がん撲滅のためにも希望する医療機関で無料検査ができるようにしてほしいものだ。
 明日はB型肝炎訴訟の大阪の期日があるので、傍聴に参加する。徳島からの提訴者は19名いるが、私のほかにもう一人が和解する予定だと聞いた。厚労省の試算でも40数万人いるという被害者の全員救済を図るためにも、厚労省の体制を含め肝炎患者救済の方策の充実を求めたい。


 以下は、今日の徳島県への申入書。


     申 入 書

徳島県知事 飯泉 嘉門 殿
(ご担当:徳島県保健福祉部医療健康総局健康増進課
感染症・疾病対策室 )
  
                 平成24年6月7日
 
              B型肝炎大阪訴訟原告団  共同代表  久永信行 
                            同    小池真紀子
              B型肝炎大阪訴訟弁護団  団  長  長野真一郎


 平素は当原告団弁護団の活動にご理解とご協力を賜り誠にありがとうございます。
さて、先日のヒアリングの結果等を踏まえて、当原告団弁護団としては特に以下の事項について改善を申し入れます。

1 ウイルス性肝炎検査の実施態勢について
 ウイルス性肝炎は自覚症状がないまま長期経過後に肝硬変や肝細胞癌を引き起こす危険があり、早期発見と早期治療が望まれるところです。
 しかるに、貴県内においては保健所における検査のみが無料となっているところ、ウイルス性肝炎の早期発見および早期治療につなげるためには、このような検査態勢は不十分であると言わざるを得ません。
 したがいまして、貴県内において保健所以外の医療機関における検査の場合にも、保健所での検査の場合と同様に検査費を無料化することを申し入れます。
2 知識普及と検査勧奨のための広報の拡充について
 次に、貴県内においてはウイルス性肝炎の知識の普及および検査の勧奨等の情報提供のためのポスター・リーフレットの作成(肝炎患者等支援対策事業実施要綱3(5))が行われておらず、新聞広告および電車の中吊り等による知識の普及啓発および保健所等での検査の受検勧奨の措置(同実施要綱3(7))なども行われていないとのことでした。
 これらの点についてもウイルス性肝炎の知識普及と検査勧奨のための広報態勢として不十分であると言わざるを得ず、早期の改善を申し入れます。
3 肝炎手帳の作成について
また、貴県内においては日常的な診療内容、専門医へ紹介すべき状態、専門医との連携のあり方などを記載した適切な肝炎診療実現のためのリーフレットの作成(同実施要綱3(3)イ)も未だ行われていませんでした。
 この点について貴県においてはいわゆる肝炎手帳の作成を検討中であるとのことでありましたが、このような肝炎手帳の作成はかかりつけ医と専門医との連携にも資するものであって肝炎患者が必要な専門的医療を受けるためには不可欠であるため、早急に実現されることを申し入れます。
                                    以上




俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
 ○伊達を放(こ)いても 自慢を放くな 自慢を放くよな 器量で無い
 ○大小差したる 旦那さんよりも 似合ふた百姓の 殿がよい
 ○旦那様より 奥様(さん)怖い 白眼黒眼で 睨む(にら)まんす