北京短期語学留学⑤と「医学的根拠とは何か」

 

医学的根拠とは何か (岩波新書)

医学的根拠とは何か (岩波新書)

 北京でいるときに読んだのが、「医学的根拠とは何か」であった。環境が全く違うところで読むと、なかなか理解が進まない。表紙に、「日本では医学的根拠の混乱が続いている。そのため多くの公害事件や薬害事件などで被害が拡大した。混乱の元は、医師としての個人的な経験を重視する直感派医師と、生物学的研究を重視するメカニズム派医師である。」と書いている。
 真に守大助さんの冤罪事件も、こういった医師の証言や、それに追随した検察官・裁判官による誤判であると感じさせられた。筆者は、「日本の法廷では科学的証拠を認めない判決が続いている」と警鐘を鳴らしているが、現在進んでいる守さんの仙台地裁への再審開始を求める請求でで、裁判所の対応は池田正行教授・志田保夫教授の意見書を取り上げようとしていない。河村俊也裁判長は、「証人尋問としての事実調べは行わない、職権としての証拠開示命令は行わない」という態度をとっている。裁判でも科学的事実に目をつぶれば、必ず誤判・冤罪が生じると思う。


 北京5日目(1月11日・土・晴れ)は7時に起床して、朝食・洗濯。ここ数日、テレビニュースでは安倍首相の靖国参拝に対する批判記事が多い。土曜日ではあるが授業はあった。この日は、「詢問」(質問する)と「需要」(何がいる)の勉強であった。郭老師は授業の合間にモンゴルの風景を撮したDVDを上映してくれた。青空の下、果てしなく広い大草原と流れてくる伸びやかな歌声は、中国語で混乱した頭を癒してくれる。この日、老師は皆に内モンゴルのナイ茶(ミルクティー)をくれた。
 昼食は学食でイスラム料理の店に行った。パンとジュースで7元。午後は、頭が少し痛かったので皆とは出かけなかった。風邪薬・しょうが湯を飲んだ。少し休憩して、近くにある人民教育出版社で教科書の副読本である、歴史や国語の本を6冊購入した。全部で53.75元。中国は教育関係の本は非常に安い。教育ママと思しき女性数名も来店して熱心に本を探していた。


A5版・118pで9.35元であった。

 夜は恵聚齊伊面伊飯店でワンタンや新疆チャーハン等とビールで食事をし、一人当たり18元であった。今までに一番安い食事であったが、物価が安いということはありがたいことである。この晩は私たちの部屋(兄と同室)で、M沢さん・T江さん・K谷さん等と11時まで懇談した。たわいのない話ばかりであったが、参加者の人柄がわかって楽しい一晩であった。



我が家のだるま 京都 千本釈迦堂 おかめ福守り 11.5cm


どどいつ入門(中道風迅洞 1986年 徳間書店
○片手に剃刀 片手に砥石 切れても合わせて 下さんせ
○私やお前に 火事場のまとい ふられながらも 熱くなる
○便りあるかと 聞かれるたびに 捨てられましたと 言うつらさ