「僕の見た『大日本帝国』」(西牟田靖)と日本軍最大進出線、鶴彬

僕の見た「大日本帝国」 (角川ソフィア文庫)

僕の見た「大日本帝国」 (角川ソフィア文庫)

 「僕の見た『大日本帝国』」(西牟田靖 角川ソフィア文庫)を読んだ。2005年に情報センター出版局から出版されたものの文庫版である。著者は1970年生まれの、ノンフィクションライター。サハリン、台湾、韓国、北朝鮮中国東北部ミクロネシアを訪問している。30歳の時にサハリン南半部を訪れ、そこで見たものから、ほかの日本の元領土ではどうなっているのか」という素朴な疑問から、各地を訪ねた。2000年8月から2004年5月までこの旅は続いている。
 「かつて日本だった場所にはいったいどんなふうに『日本の足あと』が残っているのか?彼の国の人びとはそれら有形無形の『日本の足あと』をどう扱っているのか?そして彼らは『日本』についてどんな思いを抱いているのか?」ということで、各地を訪問した。
 かつての日本軍の最大進出線が地図で示されているが、途方も無い範囲である。今、国会で戦争法案が論議されている。最近の自民党の若手議員達(古参もいるが)、この人達はこんなにも広大な地域で何が行われたか、自分の目・耳・頭で考えたのだろうか。不思議に感じさせられる。
 安部首相は、集団的自衛権の行使でホルムズ海峡まで行くと言っていたが、そうするとかつての大日本帝国の最大進出線よりもはるか遠いところまで行って、アメリカの「侵略」のお手伝いをすることになる。大日本帝国以上の、侵略国に日本がなるということか。
 文科省が日本の近現代史も教えるとの報道があったが、どのように教えるのか、それが問題である。教科書採択問題で、育鵬社などの教科書のように全く歴史的事実を歪曲し、世界の常識にも反した歴史を教えるようでは、若者がこれからの世界の中で歩んでいくには、心もとない。

 5日に海水浴に行ってきたが、忘れ物をしていた。砂浜で遊んだおもちゃである。昨日、忘れ物を取りに行ったついでに、もう一度海で遊んだ。孫たちは大機嫌であった。ところが今朝、上の孫の顔の耳の下が腫れている。遊び疲れの疲労か、それとも風邪か。そこで、家でおとなしく(?)家で休憩となった。すだちが今年は多く実った。

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 鶴彬の現代仮名遣い版全川柳(木村哲也編 邑書林 2007年12月)から送る。
手と足をもいだ丸太にしてかえし(鶴彬全川柳)
◯静な夜口笛の消え去る寂しさ
◯燐寸(マッチ)の棒の燃焼にも似た生命(いのち)
◯皺に宿る寂しい影よ母よ