ただより高いものはないと守大助「中四国ブロック交流会」

 28日(金)は連れ合いが時々利用している店の「無料日帰りの旅(バス)」の抽選に当たったので、朝早くから少し用事を済ませて、集合場所の石井駅まで送っていった。この旅は、徳島からバスで広島県尾道の千光寺と愛媛県しまなみ海道にある大山祗神社(おおやまずみ)などを見学するもので、もう20年余りも前になるだろうか、二人で行ったことが有る。集合時間は7時5分なので忙しかった。夕方、連れ合いから電話があり8時頃着くというので迎えに行った。バスからいっぱい人が降りてくる。見たような姿形をした女性が足を引きずりながら降りてくる。どうも、連れ合いらしい。聞くと、千光寺の階段で空足を踏んで痛めたようだ。右足の甲が少し腫れていた。
 翌日(29日)から翌日まで、私は守大助さんを支援する会などの中四国ブロック交流会が岡山であるので。9時過ぎに我が家を出発した。JR高徳線に乗っていると電話がかかってきた。医師の診断は右足の甲が剥離骨折しており、全治3週間とのことであった。
 今回で3回目になる岡山で開かれた交流会には、岡山・広島・徳島・香川・愛媛・兵庫から29名が参加した。徳島からは私(会長)と副会長・事務局長・事務局員の4名が参加した。最初に担当県の岡山から歓迎の挨拶・開会の挨拶を受けた後、各人の自己紹介を行った。
 守大助さんと、ご両親からメッセージが届いていた。
 〈守大助さん〉
 ”即時抗告審で再審開始・釈放を勝ち取るために”仙台高裁へ、どんどん署名を届けて下さい。
 私は絶対に、筋弛緩剤を混入していません。無実です!今後もどうかご支援を宜しくお願い致します。
 今年の暑さは、例年になく厳しい物でしたが、体調などくずされてはおりませんか。本日はお忙しい中「中四国ブロック交流会」に参加して下さい、本当に有難うございます。各会での、宣伝行動・署名活動に感謝の気持でいっぱいです。
 地裁の棄却から、1年5ヶ月が過ぎますが、三者協議は開かれていません。嶋原裁判長に代わり、弁護側の意見書・補充書などを慎重に判断してくれていると、信じたいです。検察は未だに、意見書・反論書を提出していません。デタラメな鑑定をしているのですから、反論などできないと思いますが、嶋原裁判長にはこのようなことも含め、”刑事裁判の原則に従って”判断してほしいです。裁判官は医師でも心理学者でも科学者でもありません。独自の考えで認定したり”推認”で認定するのはやめて欲しい。専門家の意見を!聞いて、「証拠に基づいて」認定してもらいたいです!
 本件はA子ちゃんの急変時に、郁子医師が医療器具による気道確保を2度失敗し、その事実を彼女は隠しつづけていることを、忘れないでください。両親が元気でいるうちに、帰りたいです。助けてください。
             無実の守大助

 ご両親(勝男・祐子)からのメッセージは以下のとおり。
 中・四国ブロック交流会参加の皆様へ
 日頃の皆様のあついご支援に心から感謝申し上げます。
 皆様の先進的活動に頭が下がりますとともに、本日池田正行先生の講演会を開催していただくことに厚く御礼申し上げます。
 池田先生はご存知の通り、医療的専門的見地から北陵クリニック事件は幻だとの弁護団の本筋を支持していただきながら、「NHKのドクターG」昨年は矯正医務官としての「塀の中の医療」がテレビで初放送され好評を得るなど、大活躍しております。
 池田先生の講演を聞いた医療関係者や医師からも大助君の無実をさらに確信しましたと、激励の手紙をいただきました。
 私たちも「両親が元気なうちに帰りたい」との息子の願いを、一日も早く現実にするために誠心誠意頑張りますので、皆様に背中を押していただきたく心からお願い申し上げます。

 今回のメインは、ご両親のメッセージのとおり池田正行先生のお話であった。先生の今回の話は、「公演スライド集」で検索すると「北陵クリニック事件岡山公演 2015/8/29」が出てくるので、詳しくはここで見て欲しい。
 えん罪の多くは、警察・検察・裁判所・マスコミが癒着して作りだされていることがよく理解される内容であった。政治家も企業もこの構造の中で、権力に歯向かうもの、時の権力と対立するものが消されていっていることの恐ろしさが理解できるのである。えん罪事件も彼らの出世や自己弁護・保身のために利用されている。


写真中央が池田先生。徳島作成のゼッケンを付けていただいた。

 池田先生は、守さんの事件について、一人の殺人と四人の殺人未遂事件はでっち上げで、真犯人は「病気」と看破している。そして、守さんの事件を知ることによって、「警察・検察・裁判所の構造が解る」とも言っている。私たちが取り組んでいる守さんの事件は、彼の無罪が決定しても終わらない、警察・検察・メディアの癒着構造を叩き直す、日本をまともな国に作り直すことが必要だと強調された。参加者の皆さん、今の安倍政権の戦争法案のゴリ押しと合わせて考えて、全くそのとおりだと感じられたようだ。
 また、この事件の被害者はえん罪で千葉刑務所に入れられている守さんだけでなく、意識不明の状態に陥っているA子さんについては、筋弛緩剤による被害だとしてしまうと本当の病気(ミトコンドリア病メラス)の治療ができなくなり、裁判所・検察・警察はA子さんの治療を受ける権利をも侵害していると指摘した。
 この日の夜は交流会を行った。美味しい料理を食べ、酒を飲んで、日頃の各県の取り組みを紹介し合った。翌日(30日・16名参加)は関東連絡会が作成した北陵クリニック事件のDVDを皆で観た。20分のこのDVD、事件のことがコンパクトにまとまっていて、初めて事件を知る人にとっても解りやすいものであった。
 その後、今後どうやって行くかを論議した。
 ①次回は広島県で8月27・28日に開催する。
 ②中四国ブロック名で仙台高裁の嶋原裁判長宛の再審開始を求める要請書を送る。
 ③池田先生の講演をDVDにして、関係組織に送る。
 ④交流会の報告を岡山が作成する。
 交流会のまとめを徳島の松浦さんが行った。そこでは、交流会の中味が充実してきていること。池田先生の講演は徳島で行った時と違ってきて事件の本質を突くものとなっており、癒着している検察・警察・裁判所・マスコミに対する闘う意気込みが伝わってくる。DVDを制作する。参加していない人にも事件を知ってもらうことが大事。そのためにも「僕はやってない!仙台筋弛緩剤点滴混入事件守大助勾留日記」( 単行本 – 2001/6/29 )や花島パンフ(徳島での花島弁護士の講演)、池田パンフ(徳島での池田先生の講演録)を読んで事件のことをきちんと知ることが必要だ。などが話された。

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鶴彬の現代仮名遣い版全川柳(木村哲也編 邑書林 2007年12月)
◯目を閉(つぶ)れば物の触合う音のする
◯第一線血みどろののが地に倒れ
◯桃割の妓(こ)の瞳だけが欲しいです

宮内フサ(1985年102歳で死去・高松)作品