突然、肝がん発症と派遣労働

 昨日は、きのこハウスの職員採用面接に立ち会った。40歳代、50歳代の女性であった。厚労省の最近の発表で、非正規雇用者が40%になったという。その一方で大企業の内部留保(企業があげた利益から配当や税金を支払った後、貯めこんだ部分。利益の残りである利益剰余金、企業の資本取引から生じた資本剰余金、引当金から成り立っている) が300兆円を超えたという。3年前に比べると38兆円も内部留保が増加している。これだけ企業が裕福なのに、さらに法人税を引き下げる要求をして、安倍政権はそれを認めるというのだから、開いた口がふさがらない。地道に働いて富を作り出している労働者は、その恩恵にあずかることができない、おかしな日本社会である。
 面接をした2人の女性の履歴書をみても、派遣労働ばかりである。そこでの給料の総支給額も15万円程度で、税金・保険料を引かれると、手取りは13万円弱になってしまう。これでは、まともな生活は送れない。本人の働きぶりが不まじめで派遣になっているのではない。この社会のしくみを正さないと、国民にとって豊かな社会にはなれないと、彼女らの経歴を見て深く感じた。

 先ほど、30数年来の友人から電話がかかってきた。全く、びっくりした。彼は肝炎患者会の活動で知りあった。十数年前に肝機能が落ち着いて、患者会活動をしながら仕事をしていた。その彼が、肝ガンになったという。B型肝炎患者は肝機能が落ち着いても、先日のB型肝炎訴訟大阪原告団総会での波多野悦郎先生(京都大学大学院医学研究科、肝胆膵・移植外科学 准教授)の「肝がん・肝内胆管がん・肝不全に対する最新の治療」と題した講演でも、肝ガンが急に出てくることは話があった。しかし、私の大変身近な彼にそれが起こるとは、考えてもみなかった。
 毎年、エコー検査もしていてチェックをしておかしいところはなかったのに、短期間で肝ガンになりそれが10センチだという。B型肝炎の恐ろしさが理解される。明日、手術を行うという。幸い、他の臓器には転移がないようなので、手術が無事に終わることを祈るしか無い。

武田泰淳と竹内好――近代日本にとっての中国

武田泰淳と竹内好――近代日本にとっての中国

 「司馬遷」で世に出た武田泰淳と「魯迅」で世に出た竹内好の2人の生涯にわたる文学・粗相的軌跡が書かれている。以前にも書いたが、この2人の書物には20歳代からお世話になっている。戦前、「中国文学研究会」を立ち上げた2人の生きざまが理解される。武田泰淳は私の大学の卒業論文のテーマであった。彼と中国との関係をない知恵を絞り出して、提出した記憶がある。この本も、2ヶ月ほど前に読み終わったものだ。

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鶴彬の川柳歌集「手と足をもいだ丸太にしてかえし」
◯肺を病む女工小作争議の村へ
◯大砲をくわえ肥った資本主義
◯餌さ少しくれて卵を山と積み
◯屍みなパンをくれよと手をひろげ
◯血を流す歴史のあした晴れ渡る