「新版報復ではなく和解を」 秋葉忠利

 昨日、水戸の長女一家が徳島のわが家にやってきた。5人家族なので、連れ合いと2台の車で徳島空港まで迎えに行った。一番下の孫は小学校1年生。静かだったわが家が、にわかにやかましくなった。食事の量も半端ではない。作るのも片付けるのも大変。長男も東京から帰る予定であったが、風邪のためキャンセル。

 今年最後の本は、原爆に関する本であった。元広島市長の秋葉忠利著である。敗戦70年・被爆70年。先日観た映画「母と暮らせば」は長崎であったが、今回は広島。著者は「はしがき」のなかで、高校生の時にアメリカ留学した時の経験で、アメリカで教えられている原爆投下「原爆により戦争が早く終わった、その結果、アメリカ側で25万人、日本側でも25万人の命が救われた、だから原爆投下は正しかった。」に十分には反論・説得できなかったことを語っている。
 国家と都市の違いについて、「都市は自分たちが経験した悲劇を国家とは違うレベルで記憶し、二度と同じ悲しみを味わうことのないよう決意し行動しています。その基本的な姿勢は、都市が軍隊を持たないことに由来しています。」そういう認識から「平和市長会議」ができている。現在は世界160か国・地域の6,733都市が加盟(2015年7月現在)。日本からは1,564都市が参加している。
 著者は、被爆者の三つの足跡を示し、このことが核兵器使用の許さない大きな力になっていることを指摘している。
 ①一つは、死を選んだとしても誰も非難できないような状況の中で、生きる道を選んで人間であり続けたということ。
 ②被爆者が思い出したくもない酷い状況を、その伊丹を感じながら体験を話したこと。
 ③被爆者達が復讐や敵対という世界観を捨てて、和解の哲学を創りだしたこと。
 現在被爆者の平均年齢は80歳、若い人々が直接被爆者から話しを聞ける最後の世代になっている。彼らがこの貴重な経験をさらに次世代に語り継ぐことの重要性を指摘している。安倍政権の中には、兵器で核兵器の保持・使用を語るものさえいる。全く、核兵器という最終兵器が、日本・世界にどのような結果をもたらすかについての、考究さえない。国会議員としての資格はないといって良いだろう。
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