上海大学短期語学留学⑫ 「長春五馬路」木山捷平

 「長春五馬路」(木山捷平 講談社文芸文庫)を読んだ。

 敗戦直後の長春(旧満州国・新京)での主人公・木川正介の生活が描かれている。多くの中国人にまじり、知り合いの朝鮮人の配下になって、長春の大道ボロ屋を開業して、その日その日を暮らしている。
 解説の蜂飼耳が最後のところで、「『長春五馬路』は混乱をゆっっくりした空気でくるんでみせた小説だ。読んでいるうちに、生の芯というものは意外にのんびりした、淡々としたものかもしれない、と思えてくる。含羞を幾重にも着込んで、平然と生きる。ただそれだけのことだ、と。」と書いているが、そうかもしれないし、何十年も前の思い出が昇華されてきて、こういう文章になったのかとも思う。主人公の周りの人々は、必死で今日・明日を生きているのだが、主人公は中国の空気に染まって一体化しているようだ。

上海大学短期語学留学⑫「请客」(おごる)
 2月24日(金)
 6時に起床した。このところ朝食は第一食堂でお粥と卵。1.5元である。カロリー量としては少ない。2女史は体重が減って喜んでいた。
 この日の私の新出単語は「点赞」(「いいね」とクリックする)。地下鉄の広告に出ていた言葉。テキストは18課「中国家庭」誰が家庭の主導権を握っているかという内容であった。大事なことは相談して決めるが、結論はもちろん日本・わが家と同じく女性である。
 この日は、「几乎」「假如」「根本」「出来」「否则」「然而」「一方面〜另一方面」の用法を学んだ。
 宿題は、1.新出単語 2.造句 ①几乎 ②根本 ③唯一 ④互相 ⑤平常 ⑥矛盾 ⑦逐渐 3.予習167p〜169p。
 A班、B班の先生に御礼の色紙を皆で書いた。私は、ここで教わったこと、中国語の理解も少しは深まったことに感謝した。その後に「少年易老学难成 老年已老学不成」と書いた。「少年老いやすく学成り難し、老年已に老いて学成らず」というわけである。
 午後からは、明日から行く蘇州旅行のため高速鉄道の始発駅である上海駅の下見に、3人で行ってきた。4年前もここから蘇州・杭州行きの高速鉄道に乗ったのだが、ほとんど記憶にない。
 この晩、徳島から持参した「湯川秀樹歌文集」(講談社文芸文庫)を読み終えた。文化が違うところで読むのは、何か違った感触が得られたようだった。
 この日の歩数は15,197歩。

湯川秀樹歌文集 (講談社文芸文庫)

湯川秀樹歌文集 (講談社文芸文庫)

 「上海大学短期語学留学日誌」を、お世話になった千葉日中友好協会に送ったのだが、小野崎さんからメールが届いた。
 素晴らしいレポートをいただき感謝申し上げます。
 これは、次回行く人に是非コピーして差し上げたいと思います。
 F籏さんもO山さんも喜んでおられて企画者としては、ありがたいです。
 事前にいただいたアンケートは、9日に若林先生にも見ていただきました。
 皆さんが良かったと言っておられたので、来年も企画をするように、頑張ってみます。

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「川柳でんでん太鼓」(田辺聖子 講談社文庫)
◯焼酎を土産に手術受けに来る
◯生死とは何ぞ刃こぼれメスを研ぐ
◯点滴の間いびきの楽天
◯ニューメディアああ八人の敵となる
◯人の世や嗚呼(ああ)にはじまる広辞苑