近代日本の植民地博覧会

近代日本の植民地博覧会

近代日本の植民地博覧会

 昨日は、W石会長・T条女史、私たち夫婦の4人で、徳島の黒笠山に登った。1703mの山は、初心者の私たち夫婦にはきつかった。登りは休憩を除き2時間45分、下りも同じくらいかかった。T条女史は準夜明けで参加したため、寝不足でブレーキだった。余裕があるのはW石会長のみであった。それでも、頂上から見る360度の展望は見事なものであった。
 本書は、植民地で開催された博覧会及び植民地そのものを主題にした博覧会を扱っている。戦前日本の、植民地統治の一環として行われたため、植民地権力がむきだしに露呈された場面も、多く登場する。
 1912年(大正元年)に東京・上野で開催された「拓殖博覧会」では、各植民地の物産だけでなく、各民族も会場に集められた。彼らは、展示場付近に自分たちの伝統的家屋を建て、会期中はそこで寝泊りをしていた。招かれた人は、「オロッコ・ギリヤック・樺太アイヌ・北海道アイヌ・台湾土人・台湾蕃人」らであったという。人も展示物の一環であった。植民地で開催された博覧会は、統治者である日本の国威を植民地住民に見せること、同化政策の成果を見せるものとして、大きな効果を挙げた。