近代日本の植民地博覧会
- 作者: 山路勝彦
- 出版社/メーカー: 風響社
- 発売日: 2008/02
- メディア: 単行本
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本書は、植民地で開催された博覧会及び植民地そのものを主題にした博覧会を扱っている。戦前日本の、植民地統治の一環として行われたため、植民地権力がむきだしに露呈された場面も、多く登場する。
1912年(大正元年)に東京・上野で開催された「拓殖博覧会」では、各植民地の物産だけでなく、各民族も会場に集められた。彼らは、展示場付近に自分たちの伝統的家屋を建て、会期中はそこで寝泊りをしていた。招かれた人は、「オロッコ・ギリヤック・樺太アイヌ・北海道アイヌ・台湾土人・台湾蕃人」らであったという。人も展示物の一環であった。植民地で開催された博覧会は、統治者である日本の国威を植民地住民に見せること、同化政策の成果を見せるものとして、大きな効果を挙げた。