KY式日本語

KY式日本語―ローマ字略語がなぜ流行るのか

KY式日本語―ローマ字略語がなぜ流行るのか

 編者の北原保雄は元筑波大学学長で、東京教育大学の院生のころ私の母校である東京都立田園調布高校で古文を教えていた。私はあまり熱心な生徒ではなかったが。
 「まえがき」では、「最近、『KY内閣』がマスコミに頻繁に登場して、『KY(=空気読めない)』という略語が人口に膾炙している。そこでこういう言葉を『KY式日本語』、略して『KY語』と呼ぶことにする。」としている。
 ここ最近の内閣は、国民の生活を読めない者たちばかりで、小泉内閣構造改革路線が、現在の派遣労働者・期間雇用労働者をはじめとする労働者の大量解雇につながっている。財界・大企業の言いなりになって労働者派遣法を作りそれを改悪した結果が今の状態である。民主党などは労働者派遣法の成立に大きな役割を果たして、責任重大であるがそのことには口をつぐんでしまっている。
 今の政治家は、二世議員・三世議員が多くなって、政治が世襲制に成り下がっている。国民の目線で政治をするのでなく、家業であるから自分の利益、自分に利益をもたらしてくれるものだけに顔を向けている。
 小泉純一郎の祖父は逓信大臣、父は防衛庁長官であった。安倍晋三の祖父は悪名高い岸信介で総理大臣、父は外務大臣だった。福田康夫の父は福田赳夫で総理大臣、祖父も町長であった。麻生太郎の祖父は吉田茂で総理大臣、義父の鈴木善幸も総理大臣であった。どれをとっても空気が読めないはずである。
 麻生太郎の場合は、空気だけでなく漢字も読めない。北原先生だけでなくみんなあきれてしまうだろう。
 彼が読むとこうであった。前が麻生読み、後が正解。踏襲(ふしゅう とうしゅう)頻繁(はんざつ ひんぱん)破綻(はじょう はたん)順風満帆(じゅんぷうまんぽ じゅんぷうまんぱん)低迷(ていまい ていめい)詳細(ようさい しょうさい)未曾有(みぞうゆう みぞう)実体経済(じつぶつけいざい じったいけいざい)焦眉(しゅうび しょうび)物見遊山(ものみゆうざん ものみゆさん)有無(ゆうむ うむ)思惑(しわく おもわく)措置(しょち そち)詰めて(つめめて つめて)怪我(かいが けが)
 KY語が氾濫する背景として4つあげている。
①ローマ字で日本語を打つ時代 
②略語氾濫の時代
③携帯電話のメールやインターネット
④さまざまな分野の人と話す機会の減少
 しかし、これだけKY語が多いとさっぱり解らない。完全にお手上げである。

KY(空気が読めない)の関連語でもこれだけ紹介されている。
AKY  あえて空気を読まない
KB   空気ぶちこわし
KYB  空気読めないバカ
KYDJ 空気読めないどころじゃない
KYG  空気読めなくてごめん
BY   場が読めない
BKK  場の空気をこわす
SKY  最高に空気読めない/相当空気読めない
RKY  リアルに空気読めない
YK   読め!空気を
KY2  空気読めない嫌われたやつ
KYKK 空気読めないことに気が付かない

KY語 声に出して読む名句・名言を紹介しよう。
疾きことKG(風の如く)
徐なることHG(林の如く)
侵掠することHG(火の如く)
動かざることYG(山の如し)
 「孫子」軍事編