江戸かな

 江戸時代の本を読み続けているが、当時のかなががほとんど読めないので、「江戸かな 古文書入門」で勉強する事にした。

江戸かな古文書入門 (〈シリーズ〉日本人の手習い)

江戸かな古文書入門 (〈シリーズ〉日本人の手習い)

 当時の本の一部を復刻して、テキストに使っている。往来物(東海道名所往来)・流行歌(おつこちどどいつ つもる雪しんねこどどいつ)・小倉百人一首(今様百人一首吾妻錦・広嶋屋本百人一首・菊屋本百人一首・金松百人一首・紅葉百人一首姫鏡)・草双紙(大和仮名懸想文売)が掲載されている。しかし、版木にみみずがのたうったように彫られているし、現物より少し小さいし、同じような形の字が多いので、覚える事がむずかしい。著者は、とにかくいくつも読んで、慣れるしかないといっている。まことにその通りで、独学では大変だ。徳島でも、講座が開かれていないのだろうか。
江戸時代には、同工異曲の「百人一首」が出版されていて、その一部が練習問題として出ているので、紹介しよう。
○英雄百人一首
 右大将頼朝 みちのくの いはでしのぶは えぞしらぬ かきつくしてよ つぼの石ぶみ
 九郎判官義経 はやくゆきて 待事あれば いさぎよし おそくていそぐ 道はあやうし
○烈女百人一首
 妓王  萌出るも 枯るもおなじ 野邊の草 いづれか秋に あはではつべき
 舞女静 見るたびに いとど涙の ます鏡 戀しき人の 影をとめねば