きょうされん2

 きょうされんを始め、多くの共同作業所などが障害者自立支援法の影響を受けて、経営が苦しくなっている。何よりも利用者・家族・職員に多くの負担がかかっており、自立支援法の廃止を求める声が上がっている。きょうされんなど、いくつかの障害者団体では、廃止を求める国会署名に取り組んでいる。最近の報道によると、与党は一定の改善を図るようだが、応益負担は堅持するようだ。これでは何もならない。
 そこで、障害者自立支援法にはどのような問題点があるか、きょうされん発行のブックレットを読むことにした。
 

だから言わんこっちゃない―障害者自立支援法成立の足あとと評価 (JULA BOOKSブックレット)

だから言わんこっちゃない―障害者自立支援法成立の足あとと評価 (JULA BOOKSブックレット)

 自立支援法について表記の本と、「これだけは、知っておかなきゃ 新制度応益負担への対応」「それでもしたたかに 障害者自立支援法小規模作業所」の三冊が自立支援法の概略を解説しており、どうそれに対応して生き抜いていくか書かれいる。このほかに、「精神障害のある人と自立支援法」を読んだ。
 自立支援法が新たに障害者に課した「応益負担」は、今まで障害者団体が取り組んできた改善の取組みを、何十年も後退させるもので、障害者の存在を、家族に任すことになってしまった。国と社会がきちんと障害者が生きていく上での責任を取らなければならない。 上記の本では、共同作業所を運営していく上でいくつか大切にしていくことを示している。
①あくまでも利用者を実践や運営の中心に据える。
②柔軟性を失わない。
③運営全体に民主主義を徹底させる。
④運動を持続させる。
⑤自立支援法そのものの改革に力をさく。

 とにかく、財政問題でしか、医療・福祉などを考えない官僚が机上で作文した自立支援法は廃止しかないと感じた本であった。