周海嬰

 周海嬰(しゅう かいえい Thou haiying)は、魯迅の一人息子で1929年9月に上海で生まれた。母親は許広平(きょ こうへい Xu Guangping)である。

魯迅回想録 (1968年) (筑摩叢書)

魯迅回想録 (1968年) (筑摩叢書)

 許広平の本で読んだのは、上記のほかに「暗い夜の記録」(岩波新書
 彼が、岡山県井原市で開かれ「内山完造先生没後50周年記念事業」に来て話をするというので、妻と行った。高速道路料金が一律1,000円になったので行く気になったのだ。
 もっとも、麻生政権の人気取りのこんな姑息な政策には大反対だ。15兆円もの補正予算を組むのなら、もっと、若者の雇用対策や、高齢者の生活保障、子育て支援などの、国民生活の基盤に根ざしたことをやって欲しい。定額給付金を含め、一時の見せかけの経済効果しか上がらない政策では、国民生活は到底良くはならない。
 
 記念事業には、中国側から周海嬰を始め20名近くが参加している。中国大使館の大使代理の参事官、上海・北京・紹興にある各「魯迅記念館」の副館長、海嬰の長男の周令飛、長女の周寧も参加していた。岡山にも多くの中国人留学生がいるようで、昨日は70名程度が来ていた。それだけ日中交流が進んできたということか。しかし、中身が伴わなければ意味がない。そういうことで、日中戦争時期を含め30数年も中国で暮らし、日中の交流に尽くした、内山完造の業績を知ることは双方にとって、大事なことだ。中国語が飛び交う会場で、日本の若者の姿が余り見られなかったのは、残念であった。
 周海嬰の話は、彼の著書「わが父魯迅」に書かれたことと同じなので、特に新鮮味はなかったが、今年で80歳になる彼の口ぶりは長旅でくたびれていたようだ。それでも、井原市という町の会場が400人を越す参加者で埋まったことは喜ばしい。
わが父 魯迅

わが父 魯迅