孔子物語

 白川静の「孔子伝」がなかったので、我が家にあった「孔子物語」を読むことにした。

孔子物語 (徳間文庫)

孔子物語 (徳間文庫)

 訳者によると、この本の著者は丁寅生で1935年に原著名「孔子演義」として出版された。日本では、2000年に徳間書店から「孔子演義」と題して出版され、2008年に徳間文庫で「孔子物語」と改題されている。
 訳者によると、「演義とは記録をふくらませてつくりあげた物語という意味。 中略 中国伝統の章回形式でかかれている。ただ訳出にあたっては、紙幅の関係から原著の二割強を割愛したため、章回形式をそのまま写すことができなくなった。」とある。それでも680ページもあった。大衆向けの小説といったところか。論語史記等を基にしてふくらませて書いて、孔子とその弟子たちの言動、当時の政治状況が丁寧に書かれているようだった。
 孔子論語に関する本を書く際に参考とした「史記」ではどうなっているか知りたく思って、岩波文庫の「史記世家」中の「孔子世家」と「史記列伝」1の「仲尼弟子列伝」もついでに読んでみた。それぞれ、簡単な記述で、「論語」に書かれていることを大きなよりどころとして、それに当時に書かれていた本を参考にしていた。
史記世家 中 (岩波文庫 青 214-7)

史記世家 中 (岩波文庫 青 214-7)

 
演義で有名なのは「三国志演義」で高校生の頃に読んだがおもしろかった。ただし、映画の「レッドクリフ」は宣伝どおりの出来ではなかったように思う。