上海などへ旅行



 9月25日から28日まで、「上海・杭州と江南人気の4都市周遊!人気の水郷烏鎮4日間」と銘打ったツアーに連合いと参加した。私たちを含め総勢12名の参加であった。バスで回るので移動は楽であった。
 25日は、昼に関空を出発したので夕食と雑技団観賞。26日は上海の豫園と周辺の観光。中国の庭園はあまり私にはなじめない。朝早く起きて、ホテルの近くを散策したが、本通りの裏道に入ると上海の庶民の生活が実感できた。市場があって(盛玉農貿市場金沙分場)、幅2mほどの露地は果物・野菜・鶏肉・魚・蟹・パン・麺・衣類などを売っていた。どの店も幅が1.5間程度で、私には理解できない中国語が飛び交っていた。上海の人口は1,800万人で、農村から流入する人たちは上海で戸籍が取れないそうだ。こういう人が300万人程いるという。(1,800万人の中には入っていない)彼らは「新上海人」と呼ばれ、賃金・年金でも大きな差がある。高度経済成長の裏で貧富の格差が広がっていると、添乗員の女性(徐瑋 XU WEI 上海出身)さんは言っていたがその通りであった。


 上海から蘇州に移動して留園・虎丘・刺繍研究所見学。夜食に白酒(銘柄は東北坊)とつまみを買った。総計12元。(1元は15円位)白酒は米で作った焼酎のようであった。味はまあまあ。
 27日は蘇州観光で寒山寺・シルク工場を見学して烏鎮へ。中国の江南は水郷の町が多いが、烏鎮もその一つであった。水郷を取り巻く古い町並みが保存されていた。

 烏鎮の町には作家・茅盾(MAO DUN)の旧居も保存されていた。茅盾は1896年5月にこの町で生まれた。1913年に北京大学予科に入学し、卒業後は商務印書館(当時最大の出版社)に入り、小説・文学評論を書いたりしている。中国では高名な作家である。添乗員の助手を務めている藺暁宇さん(LIN xiao YU 中国東北部のハルピン出身の20歳 彼女は2年修学の日本語専門学校に通っていて現在1年生。日常の会話や意思疎通は全く問題ない)に聞くと茅盾の小説は読んだことがあるという。
 茅盾の本で読んだことがあるのは「夜明け前」(原著名:子夜 平凡社)・「腐食」(岩波文庫)・「ホンコン脱出記」(原著名:脱険雑記 弘道館)・「西北見聞記」(底本:見聞雑記 平凡社)、短編小説の「かべにぶつかった矛盾」(香港亡命中の作品)
 今回、見学したのは大都市・観光都市ばかりだったので、中国の成長振りには驚かされた。年間の成長率が2桁というのも頷ける。特に上海は来年に万博を開催するとあって、いたるところで道路が掘り起こされ建築中の建物が一杯であった。上海ほどではないが、杭州・蘇州も同様である。
 中国では朝食を作らないというそうだが、朝早くから子供までが露天で食事をしていた。安いツアーなのであちらこちらの土産物店に連れていかされるのには閉口するが仕方がない 没法子 (Mei fa zi)。
 杭州のホテルの隣に新華書店があったので、辞書などを購入した。「新華大字典」(99.8元)「向着明亮那方」(金子みすずの詩集 28元)・「成語接龍」(子供向けのことわざ集 13.8元)「中国地図冊」(20元)であった。中国は、他の商品と比べて本の値段は安く感じられた。国の政策でそうなっているのだろうか。新華大字典(99.8元)などは1200ページもあり、中はカラー印刷なのだが、日本円に換算するとたったの1,500円程である。この本を日本の書店で買うと7,000円程する。目的の辞書は買えなかったが、それは次回としよう。
 中華人民共和国が成立して60周年になる今年の国慶節は、その準備が大変なようだ。あちこちで国慶節(10月1日)を記念する横断幕が張られ、スローガンが一杯であった。また、観光地を含め花を飾って国慶節を祝う準備もしていた。