冗談

 上海の街を、バスに乗って走っていると、おかしなバイクにたくさん出会った。ライトもつけずナンバープレートもない。おまけに二人乗りである。交通マナーが悪いといっても、これはおかしいのでガイド(徐瑋さん xu wei)に聞いてみた。スクーターの形をしたこのバイクは「助動車」(zhu dong che)と言って、バッテリーで動いている。免許証も・ナンバープレーともいらないそうだ。自転車と同じ扱いなのだろうが、バイク並みにスピードが出る上に、すいすいと車線を変えるので危ないことこの上ない。バスの直前にも平気で割り込んでくる。
 助動車の足を置くところを鎖で巻いているので、盗難予防のためかと思って更に聞いてみた。すると、動いている時に静かなので、鎖をアスファルト接触させて音を出し、注意を喚起させるのだという。もっともなことだと思った。
 徐瑋さんは熱心なガイドで、日本語は全く問題がない。良く勉強していていろんなことを説明してくれる。説明の合間に、いくつも冗談(開玩笑 kai wan xiao)も入れてくる。日本人の観光客を飽きさせないために、研究しているのだろう。豫園(yu yuan)に寄った時、大きなガジュマル(榕樹 rong shu)の根から作ったテーブルを指差して、いくらすると思うかと皆に質問した。樹齢何百年もする根から作ったテーブルを見て、100万円・50万円などと回答が出てきた。違うという。皆さんも買える値段だと。正解は4円であった。なるほど、豫園は日本では「よえん」と呼んでいる。


 写真は、障害者の職業訓練学校の看板と街中にあった有料の身長体重計