ことば遊び
- 作者: 鈴木棠三
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/12/10
- メディア: 文庫
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しりとり言葉・回文・早口言葉・しゃれ・なぞなど、たくさん紹介されている。こういう遊びは、生活・文化が向上しないと普及しない。したがって、最初は貴族の間でおこなわれていたのが、時代が下るにしたがって次第に武士・町人・農民の間でもおこなわれるようになってきた。
中国の宋代の詩人蘇東坡(中国料理のとんぽうろうの語源となった詩人である)の回文の詩が紹介されていた。
「江南本織錦図回文原作三首」
春晩落花余碧草 夜涼低月半枯桐
人随遠雁辺城暮 雨映疎簾繍閣空
春晩の落花碧草を餘し 夜涼月低る半枯の桐
人は遠雁に従う邊城の暮れ 雨は疎簾に映じて綉閣空し
を倒置するとこうなる。
空閣繍簾疎映雨 暮城辺雁遠随人
桐枯半月低涼夜 草碧余花落晩春
よく考える閑があったと思う。時間と教養がなければとてもこんな詩は作れない。
本書の最後に書かれていたなぞを紹介しよう。
○白い皿に卵一つ (電灯)
○上では算術、下でぶらんこ (時計)
○親のしくじりお尻で直す (消しゴムつきの鉛筆)
○箱の中に千人坊主 (マッチ)
○口から食べておなかから出す (ポスト)