江戸百夢

江戸百夢 近世図像学の楽しみ (ちくま文庫)

江戸百夢 近世図像学の楽しみ (ちくま文庫)

 副題に「近世図像学の楽しみ」とある。江戸時代に係わる図などを紹介している。元は朝日ジャーナルに連載して、後に一冊の本に仕立てたものを、更に20回分を追加して、文庫化したものである。
 江戸の文物が、広く世界に繋がっていたことが理解できる。本のカバーには浅草にある「ふじ屋」の手拭がデザインされている。この手拭、額に入れて我が家の廊下に飾ってある。山東京伝のデザインで「江戸生艶気樺焼」(えどうまれうわきのかばやき)
 ふじ屋の川上桂司・川上千尋編による「続平成てぬぐいあわせ」)明治書院)のこのデザインの解説では「暖簾から顔を覗かせた若旦那は、江戸の戯作者山東京伝の『江戸生艶気樺焼』に登場する主人公。舞台裏から客席を覗いた顔がなんとも大らかで、自然と笑いがこぼれる。」とあった。