B型肝炎訴訟

 昨日は、B型肝炎訴訟の原告になるための相談を、大阪の法律事務所まで行ってきた。来月末には公判がある。
 家の近くの高速道路の土成停留所から大阪行きに乗って行ったのだが、暇つぶしに「江戸アルキ帖」を持っていくことにした。

江戸アルキ帖 (新潮文庫)

江戸アルキ帖 (新潮文庫)

 杉浦日名子の本は、これ以外に「風流江戸雀」と「一日江戸人」が我が家にある。ただし、「一日江戸人」は以前東京に行った時に、中国図書専門店の東方書店で購入した、中国語訳である。いつか読もうと思っているが、なかなかそこまではいかない。なにしろ「江戸アルキ帖」は20年も前に購入して積読していたものだから。
 本書は1985年7月から1988年1月まで「サンデー毎日」に掲載されたものの文庫版である。
 筆者が江戸を探索するのだが、東京からタイムスリップして気ままに歩く。また、江戸は水路が多く水運が発達していたので、遠くへは猪牙船(ちょっきぶね)を利用している。
 江戸に行くには免許証がいるらしい。江戸に対する理解度によって、行ける時間・場所が制限されて、インストラクター同伴でなければ行けないところがあるのも面白い。絵と文章、ともに江戸の雰囲気を温かくあらわしている。

【猪牙船】の解説があったので転記する。
猪牙船は、江戸市中の川などで用いられた小船で、水押(みよし)が反り上がって、猪の牙のようだったので、その名がついたといわれます。旅客専用の快速船で、庶民の足として利用されました。
猪牙船(模型) 縮尺1/20
亨和2年(1802)の「船鑑」などに基づいて、復元制作したものです。

 杉浦は1958年生まれなので、これを描いた時は30歳ぐらい。なかなかの江戸通である。以前某公共放送の番組「お江戸でござる」に出演していた。5年前に46歳で亡くなっている。惜しい人材であると思う。
 高麗橋にある法律事務所に行ったときに、約束の時間まで少し時間があったので、近くを散策した。道修町が隣り合わせにあって、「くすりの道修町資料館」の看板が目に付いたので、入ってみた。ビルの一角にある小さな資料館ではあるが、コンパクトに街の由来、薬の町としての役割などが展示されていた。隣に、「少彦名神社」があった。祭神は「少彦名命」(日本の薬祖神)と「神農氏」(古代中国最初の統治者、特に医薬を司った)である。神農の虎の絵馬があったので購入した。