米朝よもやま噺

 急に、朝夕が寒くなってきた。これが、普通か。家の周りの田んぼもすっかり稲刈りが終わって、景色が変わった。

米朝よもやま噺 (朝日文庫)

米朝よもやま噺 (朝日文庫)

 米朝の落語はいいですね。話し方にゆとりと品があって、とにかく間の取り方が素晴らしい。落語の中でいろいろな表現をするが、熟年の芸が感じられる。
 本書は、朝日放送のラジオ番組「米朝よもやま噺」を元に書かれたものだが、戦前からの米朝が交流したいろんな人物が登場する。登場人物と当時の風俗を髣髴とされる語り口は、落語の世界と全く同じようであった。聞き手の市川寿憲の噺の引き出し方もよいのだろう。楽しい一冊であった。