福助さん

福助さん

福助さん

 荒俣宏編著の本書によると福助さんの由来は、「吹寄叢本」(1773年 安永2年)にさかのぼるらしい。また、福助の今のようなキャラクターは、江戸中期の後半ごろに成立したようだ。裃を着て、座布団を敷き扇子を持って正座している姿は、りりしいと言えよう。モデルもいるようで、京都の呉服屋「大文字屋」の主人だそうだ。福助は人形だけでなく、ポスターにもなっている。最初は大人の顔だったが、子どもの愛らしい顔にもなって登場している。
 福助の福耳は、人相学によるとお金持ちになれる耳だという。日本人は、今のようには正座をしていなかった。あぐらや立て膝が多く、正座は普及していなかったが、江戸時代に入り武家の作法が禅の立ち居ふるまいを基に決められ、小笠原流作法によって正座が正式な座り方とされたのは、八代将軍吉宗以降のようだ。座布団をなぜ敷いているか、なぜ裃をつけているか、福助のポーズの謎など、その考察がおもしろい。
 福助は郷土玩具の中にもあるが、我が家の書棚を占領している郷土玩具の中には10点しかない。
 11月に入ったので、そろそろ高松のひさ六に来年の干支のウサギの土人形を買いに行かなければ。
 今月、18日〜19日にはまた東京へB型肝炎裁判に関して、国会に行く予定をしている。