瓶ガ森登山ときょうされん徳島支部総会

 4日、健生山の会で愛媛県の瓶ガ森(1896m)に登った。私たち夫婦を含め6名の参加であった。西日本随一の石鎚山の近くにあるこの山は、標高差・累積標高差ともに石鎚山よりきつい。まだまだ登山歴の少ない私たちにとっては、へろへろの一日であった。黄砂で、雪の残った石鎚山の姿がはっきり見えなかったのは、残念であった。
 登山口の東之川は、昔バス停も集落もあったらしいが、今では一軒の家があるばかり。そこの住人の70歳代と思しき男性は、障害者の妻と二人で暮らしているという。まわりは廃屋ばかり。冗談ではあろうが、金持ちは町に下りて行って、貧乏なのでここに住んでいるという。石鎚山のロープウエイ駅から20分ほど細道を上がったそこは、登山者以外ほとんど来る人もいないだろう。冬には雪も降るに違いないそこでは、日々の買い物をどうするのだろうか、介護保険に加入していても十分なヘルパーさんの援助も受けられないのではないかと思った。
 昨日(7日)は、きょうされん徳島支部の総会が徳島県障害者プラザで開かれたので参加した。午後は学習会があり、「障害者福祉の現状と展望」と題して冨澤彰雄さん(徳島文理大学保健福祉学部人間福祉学科教授)が、「情勢報告と制度改革のゆくえ」と題して赤沢英知さん(きょうされん常任理事)が話をした。
 赤沢さんは、東日本大震災で被害地に行った時の話をしたが、そこでは多くの震災被害者が困難な生活を強いられ、さらに障害者はその中でも差別・偏見のなかで生活している状況が話された。それでもJDF東日本大震災被災障害者総合支援本部に結集して、障害者の支援に組織全体で取り組んでいることが報告された。
 また、昨年1月から始まった障害者制度の改革の状況も話された。ここでも、B型肝炎訴訟と同じように財源論を口実に制度の中身が、障害者の権利条約や国との間で合意された障害者自立支援法違憲訴訟の基本合意の中身を必ずしも十分には反映されていないことが理解された。国の財源をどう確保しどう使うか、安易に消費税の引き上げで対応するのでなく、国民主権に立った仕組みにしないと、永遠に高齢者や障害者が安心して暮らせる制度はできないだろう。


上の写真は、宮内フサ(1985年102歳で死去)作品 立天神 右下には牛が

俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
  〇幾重かさなる 山川なりと 心隔つな 旅衣
  〇今は便りの 文さへ絶えつ 何に命は 掛けてまし
  〇残り移り香 枕に添ひて いとど忘れぬ 閨の中