大江戸浮世事情
昨日札幌地裁でB型肝炎訴訟の和解協議があった。双方が札幌地裁の第二次和解所見を受け入れたので、基本合意に向けての話し合いが進むだろう。新聞報道によれば6月末には合意するだろうとのことだが、恒久的な肝炎対策の確立と、B型肝炎が蔓延したことの原因究明と被害を食い止められなかった政府の体質改善、菅首相の真摯な謝罪が求められる。これができたからと言って、被害を受けた人の健康が取り戻されることはないことを、厚労省をはじめ政府・与党(過去からを含む)の関係者は肝に銘じてほしいと思う。
- 作者: 秋山忠彌
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/06/10
- メディア: 文庫
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江戸では女性の数が少なかったため、亭主を尻に敷く女性も多かったようだ。狂歌は男性の独占ではなかったようで、女性もたくさん作っている。俳句ではペンネームは俳名というが、狂歌では狂名と言い、女性の狂名も面白いのが紹介されている。
節松嫁嫁(ふしまつのかか)・知恵内子(ちえのないし)・吉野葛子(よしのくずこ)・苔野むす女(こけのむすめ)・江戸前平女(えどまえのひらめ)・炭団丸女(たどんのまるめ)・新蕎麦打子(しんそばのうちこ)・秋風女房、などなど楽しい狂名である。
狂歌と言ってもなかなか奥が深そうだ。古典や流行に通暁してなければ、狂歌の面白さが生かされない。竹杖為軽(たけつえのすがる)が唐代の酒豪詩人を題材にして作ったのが「酒一斗のみにし人も物かはとかみこなしたる餅は太白」。李白が酒を一斗飲んで百篇の詩を作るなら、こちらは餅でゆくというのだから大したものである。李白は一斗詩百編というのは同じく唐代の大詩人杜甫の詩(飲中八仙歌)からきている。
李白一斗詩百篇
長安市上酒家眠
天子呼来不上船
自称臣是酒中仙
李白一斗詩百篇、
長安市上酒家に眠る。
天子呼来たれども船に上らず、
自ら称す臣は是酒中の仙と。
酒を飲み始めたら、皇帝が呼んでも応じないで酒屋で飲み続けるのだから、立身出世はかなうはずもない。
上の写真は、宮内フサ(1985年102歳で死去)作品 おぼこさん 左92歳、右93歳
俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
○声にあらはれ 鳴く虫よりも いはで蛍の 身を焦がす
○仇な契りを 結びて今は 我が身一つの 憂き思ひ
○せめて閨洩る 月影なりろ 暫し枕に とまれかし