「私とB型肝炎訴訟」 in 山口

 土曜日(2日)、山口民医連の薬剤師交流集会に、B型肝炎訴訟について話をするよう依頼があったので、宇部まで行ってきた。今回の訴訟、各地の民医連が裁判の支援や学習会を行って、原告たちを応援してくれている。感謝である。
 集まった薬剤師は15名。山口民医連は比較的小さいのでアットホームな雰囲気で話すことができた。民医連は、これまでもエイズ・薬害C型肝炎・薬害イレッサなど社会的な問題について、地域住民の健康・医療を守る立場から、積極的な行動を行っている。古くは、ポリオによる被害・スモン・森永ヒ素ミルク中毒事件・公害・大気汚染などなど、幅広い活動を行っている。
 今回も、東日本大震災の被災地に薬剤師として支援に行った5名がその状況を報告したが、被災地の現状を実際に経験することは、これからの薬剤師としての仕事に大いに役立つのではなかろうか。医療従事者は、自分たちの所に来る患者だけを見ていては、病気の本質は十分に理解することはできない。患者がいるところに訪ねて行き、その場で患者の要求を聞くことが一番で大事ではないか。
 今回の私の話の題は「私とB型肝炎訴訟」。最初に、31年前にB型肝炎に関わった徳島肝炎の会の事を話し、訴訟の本となった国による集団予防接種の歴史、裁判に加わったきっかけ、裁判の進行状況、被害の現状、原告団弁護団の取り組み内容、和解の内容、訴訟が和解できた要因、今後の取り組みの方向などについて、1時間余り話した。
 和解が実現して、もっと多くの被害者が救済を求めて裁判所に提訴することになり、各地でその説明会が開催される。その時には、民医連の事業所が積極的に説明会の案内をして、被害者を支援してほしいと思う。当面、中四国地方での説明会は以下の通りに開催される。
 7月11日(月) 岡山市民会館 電話:086-223-2165
 7月12日(火) 高松市生涯学習センター 電話:087-811-6222
 7月13日(水) 高知共済会館 電話:088-823-3211
 7月14日(木) 松山市総合コミュニティセンター 電話:089-921-8222
 7月15日(金) 山口市民会館 電話:083-923-1000

 翌日は時間があったので、山口市まで行って自転車を借りて観光して来た。曇っていたので心地よくサイクリングすることができた。見て回ったのは、旧山口藩庁門・旧山口県議会議事堂・洞春寺・瑠璃光寺五重塔・一の坂川・龍福寺・山口ザビエル記念聖堂など。山口は禅寺が多いですね。


上の写真は宮内フサ(1985年102歳で死去)作品 張子の娘面


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
  ○月夜鴉(からす)を 夜明けと思ひ 主を帰して 後悔む
  ○浮草や 今日は向ふの 岸辺に咲いて 日々の心と 飛鳥川
  ○之がこうじゃと 訳さへ聞けば さのみ憎くも ないわいな