日肝協総会とB型肝炎訴訟説明会

 11月5日〜6日に徳島市で日本肝臓病患者団体協議会(略称:日肝協)総会が開かれた(正式名称は、第21回全国交流のつどい・代表者会議)。全国から25団体150名の患者会・肝臓病患者が集まった。
 徳島肝炎の会は受入れ県として、昨年末から準備を重ねてきたが、その中心になった近藤事務局長は大変だった。資料作り・宿泊の手配・関係諸団体との打ち合わせなど、本部に専従者がいない日肝協なので、調整が難しい。当日までに事務局を担当している会員の手助けを借りながらなんとか総会を無事に終わることができた。
 今年度は、①肝炎対策基本法に基づく「肝炎対策の推進に関する基本的な指針」が肝炎対策推進協議会で検討され5月に大臣告示されたこと ②肝疾患特別枠予算が設けられたこと ③B型肝炎訴訟が6月に和解基本合意したこと ④肝硬変・肝がん患者への療養支援などを求める国会請願がさいたくされたことなど、多くの成果があり、肝炎対策の前進にとって画期的な年だと、日肝協は評価している。
 来賓も、高井美穂衆議院議員仁木博文衆議院議員・後藤田衆議院議員秘書・島田光生徳大医学部教授・徳島県徳島市から来ていただいて、会への励ましの挨拶をうけた。また、薬害C型肝炎訴訟元原告の武田さん(愛媛)とB型肝炎訴訟からは谷口原告団代表・小池大阪原告団共同代表・中島大阪弁護団らが参加し、連帯の挨拶をされた。
 5日の分科会では①肝炎対策基本指針と特別枠予算 ②患者会の運営 で熱心な討議がされた模様だが、私は並行して行われた市民公開講座の医療講演会の司会をしたので、詳細は分からない。
 医療講演会は「慢性肝炎・肝硬変・肝がんの最新治療」と題して、玉木克佳先生(徳島大学医学部非常勤講師・大久保病院副院長)が話された。パワーポイントを用いて最新の治療を丁寧に解説してくれたが、参加者にはよく理解されたのではないだろうか。
 夜は懇親会。年に一回顔を合わせる肝炎患者の仲間との交流を楽しみにしている人もいて、各患者会の紹介を含め、全員が壇上に上がって挨拶をした。徳島と言えば勿論「阿波踊り」。今回は健生連の皆さんによる阿波踊りを楽しんでもらった。踊りの手ほどき受けて皆で会場内を踊りまわった。
 6日は代表者会議。提案された議案(活動報告・活動方針・会計決算報告・予算案など)を採択して、終わったのが12時過ぎ。
 事務局で頑張った徳島肝炎の会の皆さんに感謝したい思いである。ところが、まだ続きがあって、6日の午後は、「徳島県肝癌撲滅市民公開講座 肝臓がんなんかに負けない!」(共催:日本肝臓学会・徳島肝炎対策協議会・徳島大学病院がん診療連携センター)があわぎんホールで開催されたので参加した。講演は5題(「肝臓病教室と肝がんの予防」「肝がんの病理診断」「肝がんはこんなに見える 最新の画像診断とトピックス」「肝臓がんに対する最新の内科的治療」「肝がんの外科治療 低侵襲手術から肝移植まで」あり、徳島大学徳島市民病院の先生方が話され、それぞれの視点から患者にとって必要な情報を提供してくれる内容となっていた。
 この日、会場横では「阿波の狸まつり」(30年以上も続いている)があり、また3.11東日本大震災の影響で開催がこの日に延期されていた徳島マラソン(参加者約6,000人)など大きな催しがたくさんあり、市内の交通は大混乱。披露困憊の二日間であった。


 写真は、上から阿波踊りで全員集合、講演する玉木先生、挨拶する高井議員、仁木議員。


 5日の5時からはB型肝炎訴訟の説明会が同じ会場で開かれ、全国原告代表の谷口さんが挨拶をし、大阪弁護団長の長野弁護士がB型肝炎訴訟の概要と考え方を説明した。


 
 上の写真は説明する長野弁護士。



 俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
 ○叩く水鶏(くひな)を 間夫(まぶ)かと覗けや 月に恥ずかし 我が姿
 ○叩く水鶏に また騙されて 起きて恥ずかし 我が姿