「神国日本のトンデモ決戦生活」 早川タダノリ

神国日本のトンデモ決戦生活―広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか

神国日本のトンデモ決戦生活―広告チラシや雑誌は戦争にどれだけ奉仕したか

 やあ、とにかくアジア太平洋戦争時代の日本は、すごかったですね。とにかく、神がかりで精神主義全体主義の国でした。本書は、広告チラシや雑誌がどれだけ戦争に奉仕して、国民をそこに狂奔させたか、ものも言わせなかったか、明らかにしている。
 著者は、「日本本土では、銃後の日常生活は『思想戦』の主戦場として位置づけられ、夏休みの宿題帳から結婚・出産、葬式のやり方にまで---いわば『ゆりかごから墓場まで』&『おはようからおやすみまで』---あらゆる細部に『神国日本』のイデオロギー的宣伝・扇動と政治統制は浸透していたのです。」と書いているが、全く今の北朝鮮並みの国家であった。
 そう言えば、原発の「安全神話」も同じ様な発想で、国民をだまし導いて行って、大きな災害をもたらした。金や利権と恫喝で今まではっきりと言えなかったことが、大きな災厄をうけて、言えるようになってきたのだが、国民にとっては大変な代償だ。



 上の図は、我が家にある「週刊朝日」(昭和18年1月17日号)の裏表紙の広告。アメリカとの戦争は昭和16年12月8日に始まった。ナショナル(現パナソニック)の広告であるが、以下のように書いている。
 「さあ二年目も勝ち抜くぞ 偉大なる戦火に暮れた昨年茲に光輝ある新年を迎ふるに際し、わが陸海将兵の善謀勇戦がラジオニュースに、新聞に報道されるごと銃後国民は感激に魂の打ちしびれ、血のたぎり立つを覚えて今年こそ決戦を新たにし戦争生活に徹して更に甲斐ある開戦二年目に突進しよう」

 NHKの朝の連続テレビドラマの「カーネーション」でも戦時中の国民生活が描かれているが、大変な窮乏生活を強いられた。
 大阪市長の公務員制度を変える職員基本条例や教育の仕組みを変える教育基本条例なども、全く今の民主主義の理念に反するもので、一部の特権的な人たちにしか恩恵がなく、物言えぬ市民・公務員を作ることになるだろう。



上の写真は我が家の張子面 倉敷のひょっとこ


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
 ○闇の夜に来て 桜を削り 赤い心を 墨で書く
 ○西郷隆盛や 鰯か雑魚か 鯛(兵隊)に追はれて 逃げて行く
 ○一夜会わねば 猶ほ深草の せうしやうなりとも 顔見たや