「福島は訴える」

 「福島は訴える」は、「くらし」「子育て」「なりわい」を原発に破壊された人々の願い、思いが書かれている。そして、闘いも。冒頭の「プロローグ」(『安全神話』の果てに)で福島県9条の会代表の吉原泰助さん(福島大学元学長)は、この原発事故について避難民や住民の権利が基本的な部分で、長期間にわたって踏みにじられているとして侵犯された権利を列挙している。①恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利 ②個人としての尊重 ③生命、自由および幸福追求の権利 ④居住・移転・職業選択の自由 ⑤健康で文化的な最低限度の生活を営む権利 ⑥能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利 ⑦勤労の権利 ⑧財産権 ⑨憲法に依拠して基本法で定められた環境権 など。原発事故は、全く憲法の定める基本的諸権利から遠いものである。
 ところが、野田政権は政治決断として、原発の再稼働を認めようとしているのだから、憲法違反の内閣としてその名を後世に残すのだろう。財界も、原発の「安全神話」を相変わらず振り回そうとしているのだからあきれ果てる。
 本書では、多くの市民が原発被害からの復興を目指して苦闘している。経済界は原発事故・大震災をテコとして「これまでの規制緩和構造改革・市場化路線を一挙に推進しようとしている。」(「原発災害と地域社会」 真木實彦 福島県9条の会事務局長)そして、その財源の一つとして消費税の大増税を目論んでいるのだから、このままでは国民生活はますます破壊されてしまうだろう。
 原発事故と日米安保体制は、切っても切れない関係にあり、それへの見直しを進める必要があると思う。

 昨日は、徳島肝炎の会のK事務局長と、高知で開催された「ヘルスケア関連団体ネットワーキングの会(VHO-net)」の「第3回四国学習会」に参加してきた。四国各県の難病支援ネットワークに参加する患者会から20名あまりが参加した。
 VHO-netとは、「Voluntary Healthcare Organization Netwaork」の略語で、「疾病や障がいの違い、当事者や支援者などの立場の違いを超えて、ヘルスケア関連団体のリーダーたちがつながり、互いの知恵を交換し、ともによりよい医療や生活の実現を目指して問題解決に取り組む集まり」だとは主催者の説明である。
 講演は「つなぐ〜医療関係者とのよりよい関係」と題して箕輪良行先生(聖マリアンナ医科大学教授)が話をした。患者と医者との関係をどう結んで行くかの話だったが、最近の医学教育では、患者との接し方(患者の見かたや接し方・話し方など)の講義もあってよくなってきているとのことだった。
 講演の後、ワークショップで「医師に求めること」「患者がすべきこと」を話し合い、班ごとの発表を行った。
 最後に箕輪先生は、医師も患者も客観的な立場になって、双方を見ることができるようになると、よりよい関係ができあがると話をまとめた。



我が家の京劇面


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
 ○竹に雀は 品好く止まる 止めて止まらぬ 戀の道
 ○竹に雀は 仲好いけれど 切れば餌差しの 敵竿
 ○立てば芍薬 座れば牡丹 歩む姿は 百合の花