またまたB型肝炎訴訟 と 「冤罪と裁判」
7月6日には、東京で肝炎フォーラムがあったので参加した。これは、日本肝臓病患者団体協議会・薬害肝炎訴訟・B型肝炎訴訟の3団体で、肝炎対策をどう進めていくかについて話し合うもの。各団体がバラバラで厚労省と話し合っていては、国民・患者が求める対策は実現しない。この日は、11日に行われる厚労大臣との協議内容についても、別途話し合った。
また、厚労省から23日に開かれる「肝炎対策推進協議会」の議題について文書が届いた。議題は以下のとおり。
①会長及び会長代理氏名(指名の間違いか)
②各自治体における肝炎対策の取組状況等について
③各種研究事業等について
④今年度の普及啓発について
⑤肝炎対策予算について
⑥その他
来年度予算の編成について、患者側からの要望を実現するために実のある論議をしたいものだ。
明日は、B型肝炎原告団・弁護団と厚労大臣との間で協議が開かれる。多くの原告・弁護士が上京して、B型肝炎患者の実態・和解の促進・来年度予算などについて話す予定にしている。
7日から9日まで水戸で過ごした。長女家族と会うためであった。往復の飛行機・JRで読んだのが「冤罪と裁判」
- 作者: 今村核
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著者(今村核)は、「誤起訴、誤判の検討は、虚偽の証拠の作成過程、判断過程に視点をおくだけでは足りない。『日本の刑事裁判の構造的なあり方』に視点をおき、例えば、取調べ中心の捜査のあり方、取調べで作られた供述調書が裁判で重視されてきたこと、検察官が証拠を独占して被告人に有利な証拠を開示しないこと、不十分な弁護、裁判官の『有罪慣れ』ゆえの『疑わしきは被告人の利益に』原則の弛緩、などなど制度的な歪みをあげ、それらが重層的にある『冤罪を生む構造』を形づくっていることを示すことが必要である。」としている。
裁判員裁判でも、裁判員の新たな視点がよい方向で作用する場合もあるが、「裁判員に負担をかけられない」として、重要な証拠が隠されたりして大きな問題点があることも指摘している。
また、取調べの可視化についても一部しか実行されないと、有罪・えん罪を生みだす温床としかならない。
著者は、えん罪・誤判防止のために以下の点を提起している。
①捜査全過程の記録化
②被疑者取調べ全過程の録音、録画化
③参考人取調べの全過程の録音、録画化
④物証の採取、保管過程の記録化
⑤再鑑定保障のための、捜査側鑑定における全量消費の禁止
⑥被疑者、被告人に有利になりうる物証の採取・保全の義務化
⑦警察からの全証拠の検察への送付義務の明文化
⑧検察官による全証拠の目録一覧表の作成、交付義務
⑤については、「北陵クリニック事件も、大阪府警の科捜研が『筋弛緩剤』が検出されたとしながら、患者の血液を『全量消費』してしまったために、確認がむずかしくなっている事件である。」と本書で指摘されている。
守さんの再審請求では、点滴液などから筋弛緩剤が検出されたとする大阪府警の科捜研の鑑定は、間違っているという東京薬科大学の志田保夫元教授の鑑定意見書が出されている。
上の写真は宮内フサ(1985年102歳で死去)作品 手ぬぐいかつぎ豆面
俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
○厭で結構 好かれちゃ困る 僕は次男で 家が無い
○輜重輸卒が 人間ならば 電信柱に 花が咲く
○裏の窓から 蒟蒻(こんにゃく)玉投げて 今夜来よとの 知らせかや