またB型肝炎訴訟 「落語に見る日本の旅文化」

 16日は、B型肝炎訴訟の全国恒久対策班会議が東京で開かれたので参加した。この会議は11日の厚労大臣と原告団弁護団との協議を受けて開催されたもの。
 協議の中での厚労大臣の発言をどう受け止め、これから原告団弁護団として恒久対策を進めるにあたっての考え方を協議した。今回の会議で問題にしたのは、主に厚労大臣の下記の点であった。

 厚労大臣は回答の中でこう発言している。

 北海道原告代表の高橋朋巳さんの医療費補助について、「他の病気とのバランスといっても一段上のものをとおっしゃるのは、それはその通りだと私も思います。  中略  少なくとも検討する気持ちは持ち続けてやっていきたい。そういうふうに思っています。」

 大阪原告共同代表の小池真紀子さんの医療費助成に係る更新手続きについては、「少なくとも最小限の手続きで済むようにということ、これは是非検討させていただきたいと思います。きちんと検討することはお約束したいというふうに思います。」

 東京原告副代表の石川冬美さんの医療機関における差別偏見については、「23年度からの3カ年計画の研究事業で、差別偏見の実態に関する内容を含む、医療従事者に対するアンケートをこちらでも実施しています。そういったアンケートの結果はしっかりと拝見させていただきます。 中略 ガイドラインなどをつくるときに、そういう偏見差別を受けた当事者のかた、また患者さんの皆さんの声を反映させることは当然のことだと思います。  中略  (医系学生への教育に対して)これは文科省なんかとも連携してすぐにやらなければいけないと思います。(健康局長の方に向いて)やって下さい。

 全国原告団代表谷口三枝子さんの個別和解の進展については、「書類の方をなるべくお話し合いの中で簡素化するなど、そういう工夫もしながら、少しでも早くできるようにという努力はさせていただきたいと思います。 中略 迅速化が図られるか見ていただいたうえで、また検討を引き続きお話しながらさせていただきたいと思います。」

 このほかに、広報活動をどう進めるのか、厚労省の広報活動が実際に効果をあげているのか調査をするなどして、効果的な広報活動の展開についても積極的に意見を言うことにした。

 医療費助成の拡充については、B型肝炎患者が実際にどれくらいの医療費がかかっているのか、医療機関を受診する際のその他の経費(交通費や休業に係る損失など)の調査も独自にすることにした。

 文科省に対しては、B型肝炎患者に対する偏見差別をおこさない教育カリキュラムの編成、実際に学生の前で患者が話をする機会を作るなどを申し入れることを検討した。


 今回持参して読んだ本は、「落語に見る日本の旅文化」
 河出書房新社 1995年12月刊 2,300円
 内容は、
 〇旅ものとその演じ方(桂 南喬)
 〇大山詣りと講社の旅(神埼宣武)
 〇伊勢参りと伊勢音頭(小野寺節子)
 〇絵解き伊勢参宮名所図会(薗部 澄)
 〇落語における旅の心理(小田 晋)
 〇異界への旅(宮田 登)
 〇コラム女の旅・江戸の物見遊山(坂口福美)

 江戸も平和で安定し生活が向上してきた時期には、多くの町民・農民もいろんな口実を設け旅をしていたありさまが理解される。伊勢参宮客の数について、江戸中期には年間60万人から70万人と推定している。当時の日本の人口はおおよそ2,000万人だから、約20人に1人は伊勢に行っていることになる。徒歩で何日も数十日もかけていくのだがら、今よりずっとすごかったのではないだろうか。伊勢以外にも多くの寺社仏閣を巡る人が多かったのだから驚きである。日本人は、よっぽど旅行好きなのだろう。

 四国も梅雨が明けて猛暑の季節になった。少し前テレビで女子高生や男性も日傘をさすようになったという報道を聞いたことがある。本書の「絵解き伊勢参宮名所図会」の三条橋の項を見て驚いた。そこには日傘を持つ男が三態に分けて描かれている。日傘を男性が持つ流行は文化9年(1812年)のことだった。



我が家の張子面  春日部張子:五十嵐健二作



俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
〇思ふまいぞへ もう思はぬと 思へど思はず 思ひ出す
〇思や済みます もう思や済む 諦められぬと 思や済む
〇思ひ出すまい とは思へども 思ひ出すよな 事ばかり