厚労省「肝炎対策推進協議会」開催と「現代漫畫大観」

 昨日(7月23日)は厚労省の「第8回肝炎対策推進協議会」が東京の全国都市会館であったので、B型肝炎訴訟原告の代表の委員の一人として参加した。B型肝炎訴訟原告の代表は2名おり、もう一人は北海道原告団副代表の清本太一さん。35歳の好青年である。
 委員は全部で20名だが、その内私たち2人のほか日肝協から3名、薬害肝炎から2名が加わっている。最初に各委員から自己紹介があったが、患者委員はそれぞれの患者としての立場から、患者が満足するような内容のある協議をしたいという抱負が詳細は省くが述べられた。
 前回は傍聴人として参加したが、2回の協議会を通じて感じたことは、議題の重要さに比べて時間があまりにも少ないこと、検討資料の来るのが余りにも遅いこと、委員間の討議が少ないことだったろうか。
 この時期の協議会は、来年度予算に厚労省としてどう反映させるかが重要な課題であるがそれに関連した資料が少ないと感じた。しかも、平成25年度の予算案について厚労大臣に提出する案については、事務局と委員長が皆から出た意見を参考にして取りまとめ、その取りまとめた案ついて委員の意見をもらって修正(?)するというものであった。本来ならば、再度協議会を開いて討議したものを厚労大臣に提出すべきものだと思ったが。

 委員の名簿は下記のとおり(50音順 敬称略)
相澤好治   北里大学副学長
浅倉美津子 薬害肝炎東京原告団代表
阿部洋一  日本肝臓病患者団体協議会常任理事
天野聰子  日本肝臓病患者団体協議会賛助会員
有川哲雄  B型肝炎訴訟原告団
遠藤孝一  連合総合政策局生活福祉局部長
大賀和男  日本肝臓病患者団体協議会常任幹事
岡本光正  健康保険組合連合会常任理事
柿嶋美子  東京大学大学院法学政治学研究科教授
清本太一  全国B型肝炎訴訟北海道原告
熊田博光  国家公務員共済組合連合会虎の門病院分院長
小森貴   社団法人日本医師会常任理事
瀬戸実   全国中小企業団体中央会理事
武田せい子 薬害肝炎原告団
田中純子  広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授
土井幹雄  茨城県保健福祉部長
南部由美子 福岡市西区保健福祉センター所長
林紀夫   関西労災病院院長
溝上雅史  国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター長
脇田隆字  国立感染症研究所ウイルス第2部部長


 現代漫畫大観の第2編「文芸名作漫画」と第10篇「現代漫画集」を、以前大阪地裁に傍聴に行った時阪急3番街近くの古書店杉本梁江堂で購入した。全冊そろえると10冊あるようだ。昭和3年中央美術社刊である。大空社から2010年に復刻刊行されていた。105,000円である。

 ネットで調べたら、前坂俊之という人のブログに行きあたり、こう紹介されていた。
 昭和3年に中央美術社から刊行された『現代漫画大観』は、漫画というものを歴史的視点でとらえて編集した日本初の漫画全集である。この全集のヒットによって、そのあと『一平全集』(先進社・昭和4〜5年)、『楽天全集』(アトリエ社・昭和5年)、『現代連続漫画全集』(アトリエ社・昭和10〜11年)などが刊行されることになる。戦後でいえば昭和44年に刊行されだし、戦後の漫画全集刊行の突破口を開いた筑摩書房の『現代漫画』に匹敵する全集である。


 第2編「文芸名作漫画」は、「坊っちゃん繪物語」(岡本一平)、「恩讐の彼方に」(細木原青起、「金色夜叉」(清水對岳坊)、「痴人の愛」(池部鈞)、「草枕繪物語」(岡本一平)、「半七捕物帳」(水島爾保布)、「不如帰」(北沢楽天)、「カチューシャ」(前川千帆)、「カルメン繪物語」(田口省吾)があった。
 岡本一平の「坊っちゃん『遺跡めぐり』」というのも添えられていて、岡本が坊っちゃんの舞台をめぐるのだが、その時代は大正7年(1918年)今から94年前であった。坊っちゃんの相棒ともいえる「山嵐」のモデルにも面会している。
 渡邊正利という名のこの人物の印象について、「セルの着物を着た先生が出て来られる頭は五分刈りの無髯(むぜん)、怜悧乍ら人の善さ相な眼の周囲に非情に皺がある。笑ふと巾着の締口みたいに皺がよる。笑ふと少し猿のやうに出る歯と歯茎とを唇で覆はうと努める処を見ると神経質的に用心深い処もある。」この時、この渡邊先生は中学校の現職教師であった。
 上の写真は「痴人の愛」の一場面。


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
〇忘れられられ られられ泣くも 思ひ出す出す 此の記念(かたみ)
〇諦めませうよ どう諦めた 諦められぬと 諦めた
〇惚て惚られて 惚られて惚て 惚て惚られた 事が無い