B型肝炎訴訟大阪期日 と 徳島での無料説明会

 昨日(8月24日)は大阪で裁判があったので参加した。
 傍聴席は満員で法廷に入れない人もあった。徳島からも私のように毎回参加してくれる人もいて原告たちの熱心さが見受けられた。
 今回は、徳島県人3名を含む原告65名が国との間で和解が成立した。今までの大阪での裁判では、一番多い和解者数であった。今回の和解者の病態は、無症候性キャリア12名、慢性肝炎35名、肝硬変(軽度)3名、肝がん12名、死亡3名であった。
 提訴被害者数は、全国で5,042名で和解者総数は635名、和解率は12.5%。大阪では被害者数1,045名で和解者総数はこれで151名、和解率は14.4%である。昨年6月に国との基本合意ができて1年2カ月になるが、和解率は余りにも低い。
 意見陳述した原告は2名あり、原告番号897番の男性は、妻が肝がんで64歳で亡くなり、その妻は息子さん二人に母子感染させている。平成6年に発症した彼女は亡くなる昨年までに11度の食道静脈瘤・肝がんの手術を繰り返した。母子感染した息子さん二人も慢性肝炎を発症しており、長男は結婚してもバラクルードを服用しているために子供をもうけることができない。次男は婚約までしたが破談になっている。
 意見陳述で897番原告は、「妻は亡くなる寸前まで、子供達が母子感染したことは全て自分の責任だと、そればかり言い残して亡くなりました。もう少し早く分かっていればその苦痛だけでも無くしてやれたのではないかと悔やまれます」と語った。

 和解合意が進まないことについて長野弁護団長は、意見書陳述のなかで2点の問題点を指摘した。
 その一つが、「国から追加資料要求があった原告について資料を追加等した場合における国の検討体制」である。国からの追加資料要請に応えて資料を提出したにもかかわらず、3ヵ月以上も放置されて、国から何の連絡もない原告が多数存在している。一般の訴訟では考えられない事態である。
 二つ目が、「肝がんで、病理組織検査がないが医療機関から肝がん(肝細胞癌)の確定診断を受けている原告についての国の対応」である。
 長野弁護団長は、「肝がんの確定診断は、MRI・CT等の画像検査並びに腫瘍マーカー等の血液検査で行うのが原則であり、病理組織検査がなされているのは肝切除術がなされた後など例外的・少数の場合です。これは、組織検査のための肝生検が腫瘍細胞を散らしてしまう危険があり、上記他の検査による診断精度が十分に高いことが医学的コンセンサスななっている。」として、国が病理組織検査の提出を頑なに固執することの不当性を指摘した。
 大阪原告の中でも、これまでに和解を見ることなく亡くなられた原告が11名もいる。国の一層の人員体制の充実と、和解資料提出の簡素化が求められる所以である。

 裁判終了後、司法記者室で記者へのレクチャーがあり、この間の全国の取り組み(6月28日 基本合意1周年記念集会 7月11日 大臣協議会 7月23日 第8回肝炎対策推進協議会 7月28日 第1回世界肝炎デー集会 等)を報告した。私も、報告者の一員として出席した。
 また2時半過ぎからは大阪市中央公会堂で、報告集会・原告団会議が開かれた。顔を知らない原告がどんどん増えてきている。大阪の原告も1,000名を超えている。

 今日(25日)から日本母親大会が新潟で始まった。連れ合いは全国の運営委員をしているので23日早朝から出発した。もっとも、24日の午前中までは四国の他の運営委員たちと佐渡見物をしてくるそうだが、残された私は多くの雑用があって大変。23日は4時半、24日は5時起きであった。



今朝(25日)の徳島新聞記事


B型肝炎特別措置法・無料説明会 
 主催:B型肝炎訴訟大阪弁護団

○日時 平成24年9月15日(土)
 午後1時30分〜午後5時00分

○会場 あわぎんホール
徳島県郷土文化会館)4階・会議室5




我が家の張子面  春日部張子  兵隊 五十嵐健二作


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
〇憎いお前に 私は惚れて 可愛いお方を つい欺(だま)す
〇惚れて見る目は 糸より細い 悋気(りんき)する目に 角が立つ
〇惚れて居れども いひ出しや辛い 何(ど)うか先方(さき)から 言(ゆ)て頼む