月下美人 と 「沖縄人はどこから来たか」

 秋になり、一晩しか咲かない月下美人が咲きだした。蕾を幾つも着けているので、これからが楽しみだ。月下美人の仲間の満月美人・十三夜美人・宵待孔雀も、そのほのかな香りとともに白い花を咲かせている。
 


 上の写真は月下美人、下の写真は満月美人。
 この月下美人、もう30数年も我が家で咲き続けている。元はといえば、父母の郷里である沖永良部島から当時住んでいた東京に来たものを、分けて貰ったのが最初である。



 以前紹介した「琉歌百景 綾なす言葉たち」と一緒に買ったのが、「沖縄人はどこから来たか 琉球=沖縄人の起源と成立」(ボーダー新書 安里進・土肥直美共著)。発行は(有)ボーダーインク。沖縄の出版社である。
 こういう本を読んでいると、尖閣諸島がどこの国の所有であるかなんていう喧嘩は些細なことになってしまう。琉球国ができるずっと以前から、中国からも琉球からも漁船の避難があったりして尖閣諸島に漁民や交易の人びとが立ち寄っていたのだから。沖縄の浦添にあるようどれの造営には、朝鮮半島の高麗人も参画していたというのだから、拳を振り上げて相手を威嚇する様は、当時の人々からみたら嘲笑の対象にしかならないだろう。


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
〇石の地蔵さん 頭が丸い 烏留まれば 投島田
〇関の地蔵に 振袖着せて 奈良の大仏 聟(むこ)に取ろ
〇富士の山をば 鳶(とんび)が攫(さら)ふ 奈良の大仏 蟻が曳(ひ)く