B型肝炎訴訟で大阪原告団の徳島原告和解

 10月12日は、大阪地裁でB型肝炎訴訟の期日であったので参加した。この日も傍聴席は満席でパイプ椅子も出ていて100人を超す傍聴者で、原告の早く解決したいという思いが伝わる裁判であった。
 この日意見陳述したのは、原告番号491番の男性(69歳 肝がん)と原告番号932番(65歳 肝がん)の二人であった。国が40年間も集団予防接種時の注射器の使い回しを放置し、尚且つその後もその責任を認めずに20年あまりも経過したため、被害者は高齢化・重症化したばかりでなく、被害の証明もできない人がほとんどであることが、二人の意見陳述でも明らかになった。
 弁護団からも意見書が出されたが、そこでは以下の様に述べている。
 「本日被害者56名についての和解が成立する予定です。これで本日までに提訴した1192人のうち207名の和解が成立することになります。提訴済み被害者の約17%です。私たち全国B型肝炎訴訟大阪弁護団・原告団は、毎月、70件から80件の和解資料を提出しています。たとえば、前回裁判があった8月から本日までの2ヶ月間に、新たに和解資料131名分提出しております。しかし、本日の和解は56名にとどまりました。単純に言えば、2ヶ月間で、130件程度の和解資料が提出されているのに、2ヶ月間で60件程度の和解しかすすまず、2か月ごとに70件程度の積み残しが生じているということになります。」と指摘し、和解の促進について国の審査の大幅な改善を求めた。

 大阪地裁に提訴した被害者の病態は以下のとおりであった。原告数は1,285名で被害者数は1,192名。

死  亡  87名
肝 が ん  202名
肝 硬 変   96名
慢性肝炎  578名
キャリア  229名



 今回、徳島の原告のうち2名が和解成立した。原告番号224番でご夫婦で参加した方も和解し、その感想をご本人の了解を得たので掲載する。



 9月24日(金)に私の担当弁護士より、お電話をいただきました。
 内容は、なんと、「10月12日(金)に、国との個別和解が成立する」との内容でした。
 私の場合は、母が死亡しているために難しい問題でしたが、大阪弁護団のご尽力で、個別和解が出来たと思います。
 本当にありがとうございました。
 最初に弁護士さんの、個別和解の言葉をお聞きして一瞬、夢でも見ているかのようで信じられませんでした。
 なんだか、今までの苦労が走馬灯のように浮かんでは消えて、あまりにも嬉しくて、もう涙が止まりませんでした。
 思えば、全国原告団、大阪原告団弁護団の先生方の並々ならぬ闘いがあって、平成23年6月28日、菅直人元首相が和解へ基本合意書に調印し、先行訴訟が提訴からは、なんと22年の歳月を経て、1つの節目を迎えたとありましたが、本当に長い道のりだったと思います。
 基本合意が成立して、約1年以上が経ちますが、まさか、自分もこんなに早く、個別和解が実現出来たなんて、未だに夢のようです。
 これからも、原告及び、肝炎患者の皆さんが、安心して生活が送れますように、徳島県人が1人でも多く、受検出来ますように、早急に対応して頂きたいと思います。
 最後に、弁護団の先生、また、いつも相談に乗って、支えて頂いた大阪原告団共同代表で那賀町出身の小池真紀子さん本当にありがとうございました。
 今後ともよろしくお願い致します。
 平成24年10月12日  徳島原告224番


 裁判の後、報告集会・原告団総会があった。原告団総会では副代表の補充を行った。さらに、原告団総会の後に淀屋橋B型肝炎ウイルス検査を受けようという宣伝活動を行い、マイクで呼びかけチラシを配布した。多くの原告・弁護士が参加した。私も少しマイクを握り訴えた。




我が家の張子面   青の鼻たれ(鳥取・倉吉)



俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
〇音頭取る子が 橋から落ちて 橋の下から 音頭取る
〇ままよままよと 半年暮す 後の半年 寝て暮らす
〇お粗末なれど 私の男 どうも他人(ひと)には 貸しにくい