「漢字雑談」 高島俊男 と 肝炎の会会報作り・神山温泉 そして夜の女王

漢字雑談 (講談社現代新書)

漢字雑談 (講談社現代新書)

 とにかく楽しい本でした。本書は講談社の小雑誌「本」に連載したエッセイ。
 講談社の紹介によると、「小冊子『本』は読書人のための月刊情報誌です。講談社発行の新刊書籍のガイド、著者自身によるPRエッセイをはじめ、文学やアート、社会科学やサイエンス、スポーツに至るまで、幅広い話題を提供しています。」
 当用漢字・常用漢字ができて、文科省による無理な漢字の理解が強制されてきている。例えばとして著者は、「障碍者」という語を挙げている。「碍」という字は「さまたげ」の意である。これが当用漢字では使えないので「障害者」と書かせているのだが、「害」は「危害を加える」「害虫」の害でであるとして、正しい意味の「碍」に戻してもらいたいと主張している。全くその通りであると思う。こんな例がたくさん列挙されていて、楽しいのである。文科省の教育が言語への正しい理解を妨げているのだから、全く笑えない話である。
 多くの権威ある辞書・国語学者・漢字学者についても、率直にその誤りを指摘しているが、むやみに辞書を信じることの危うさも理解できる。こんな地道な研究・指摘が、辞書の中身を正確にしていくのだと気付かされる。

 中国の「成語」についても書かれている。「日本では四字成語というと、ちょっと学のありそうな、恰好をつけた感じがある。中国ではふつうにだれでも使う。その点ではむしろ日本の慣用句に近い。 ―中略― 中国でも、文章のプロは極力成語に頼らない。『成語』とはつまり『できあいの語(表現)』なのだから―。そのかわり、たった四字でかなり複雑なことを言えるし、だれにでも通じることは保証つきだから、通俗読物などでは頻繁に使うのである。」とあった。確かに、中国語の本を読んでいると、成語がたくさん出てくる。成語辞典が必須な筈である。
 したがって、中国では日本と違って「成語詞典」がびっくりするほど多く出版されている。我が家の成語辞典は、「成語詞典」(商務印書館国際有限公司 10,000語が収載されている)と「成語林」(旺文社 故事ことわざ慣用句 16,500語を収載)。その他に、「漢語慣用語詞典」(商務印書館国際有限公司 15,000語が収載されている)がある。


 昨日は、徳島肝炎の会のK事務局長から業務命令があり、会報の印刷・帳合・封筒詰め作業を行った。日肝協の会報40ページと徳島の会報4頁を220部印刷し、郵送用の封筒600枚印刷等にかかったのが、午前10時半から午後2時半まで。ほとんど休みなく作業して4時間かかった。お陰でひどい肩こりになってしまった。


 今朝は雑用を済ませてから、神山温泉(http://kamiyama-spa.com/)に連れ合いと行ってきた。先々週(5月12日)に「最後まで残った空海の道」に参加して、藤井寺から焼山寺までの山道を歩いた時に完歩記念に主催者からもらった入湯券である。このイベントを共催している阿波市吉野川市神山町にある6つの温泉に無料で入れるのである。
 神山温泉は我が家から車で40分ほどの所にある、徳島でも有名な温泉で県外客もたくさん来る。宿泊・食事もできる。徳島駅からは無料バスで送迎してくれる。毎年神山温泉まつりがおこなわれ、今年は5月26日にある。



 
我が家の絵馬 京都・三井寺 2011年10月2日



俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
○嫁を嫁をと 嫁譏(そし)りやんな 譏る我が子も 人の嫁
○野にも山にも 子無きはおきやれ 萬の蔵より 子は宝
○仮令(たとへ)姑が 鬼でも蛇でも お前育てた 親ぢゃもの  


追加
 午後神山温泉から帰ってきて庭を見ていると、「夜の女王」が咲きかかっている。この花は月下美人の仲間で一晩しか咲かない。夜見ると30センチ程の大輪が見事に咲いていた。