「特高警察」 荻野富士夫 と ブログへのアクセス30万回

 昨晩で私のブログへのアクセスが30万回を越した。5年前に仕事を辞めるのを機に開設した「孺子の牛」だが、これからも地道に続けていきたい。

特高警察 (岩波新書)

特高警察 (岩波新書)

 今までに警察関係の本を読んだのは、だいぶ昔になる。1997年に「警察黒書」(労働旬報社)と「戦後日本の警察」(岩波書店)[公安警察の手口] (ちくま新書)が図書目録から見つかったが、あと何冊か読んだ記憶があるが、検索できない。
 本の帯には「はじめに」から引用して、「特高警察とは何だったのか、その実態と全体像が本書の課題である。」「どのように復活して現在に連続しているのかについても焦点をあてる。」と書いている。
 特高は、治安維持法を逸脱してまで残虐行為を行ってきたが、著者は「取り調べの拷問はその最たるものであったが、多くの超法規的行為は実質的に承認され、より効果的な弾圧のために奨励さえもした。法令の逸脱や無視の常習化の末、予防検挙・検索、長期拘留・『たらい回し』、盗聴、信書抜取りなどの超法規的行為が横行し、身内の会議などではテクニックを駆使した体験談も得々と語られる。」と書いている。
 
 今、自民党憲法草案が問題になっているが、私なんぞはこんな改憲案が成立したら、国民の権利や自由・安全、幸福は保障されないと考える。
 現行憲法の第十九条は、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」となっているが、自民党憲法草案の第十九条は、「思想及び良心の自由は、保障する。」となっている。これだったら侵すことがあるかもしれないが、なんらかの保障はすると読めてしまう。
 またこの憲法草案、憲法尊重擁護義務として、第百二条で「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。」としている。現行憲法は、立憲主義の立場に基づき、「憲法は国家に歯止めをかける道具。憲法を守るのは国家の側、国民は守らせる側。」となっているのだが、自民党案は真逆になっている。憲法を尊重せず踏みにじってきたのがこれまでの自民党政権だと思うのだが。
 特高警察は、公安警察として戦後復活したが、自民党憲法草案第19条は戦前の時代への後戻りをももたらしかねない危険性を含んでいる。



 ノウゼンカズラ


 満月美人


 我が家の絵馬  東京・神田明神   2001年6月27日購入


俚謡 (湯朝竹山人 辰文館 大正2年刊 1913年)から
〇思ひ出せとは 忘るるからよ 思ひ出さずに 忘れずに
〇君は今頃 駒形あたり 声も高尾の そそり節

 ここで、俚謡は最終。次回からは、「どどいつ入門」(中道風迅洞 徳間書店 1986年刊)から紹介しようと思う。