第2回北陵クリニック筋弛緩剤事件中四国ブロック交流会

 8月30日〜31日に、岡山市で表記の会合があったので参加してきた。徳島からは私を含め4人、30日は32人、31日は23人が参加して、学び、交流を深めた。
 30日のメインは、「北陵クリニック筋弛緩剤事件の真実とは」と題して、守さんの元同僚の篠原幸子さんが話しをした。自身が体験した警察による事情聴取、当時のクリニックの医療レベル、守さんの人柄・仕事ぶりなどが話された。
 この交流会への講師について、最初は引き受けたがその後父親の容態が悪く断った。(守君のお母さんが引き受けてくれた。)しかし、父親が亡くなり(8月中旬)改めて引き受けることになった。まだ、精神的にも肉体的にもつらい状況下で、仙台から岡山まで来ることは大変だったことだろう。
 守さんの仕事ぶりは、逮捕されるような怪しいこと何もなく、きちんとしていた。篠原さんへの事情聴取では、「守さんのよい所は何も思い出さなくてよい」「調書には言ったことを正しく書いてくれない」。検察が書いた調書について言っていない事を書かれたので、訂正を求めると、「直すことなど出来ない。」と言われた。たばこの煙がもうもうとするところで、8時間も拘束された。早く家に帰りたかったので、仕方なく調書にサインした。今では後悔している。できるだけ守さんの役に立ちたい。
 クリニックに勤務していた麻酔医も、守君が逮捕されたのはおかしいといっていた。患者さんの死因はマスキュラックスによるものでない。
 裁判で認定されたマスキュラックスの使用方法では、患者は死なない。裁判で私が証言している時も、すぐに検察がストップをかけて、きちんとしたことを言わせてくれない。
 私は看護助手として勤務していたが、摘便のような看護師のような仕事までさせられた。夜勤も助手と准看護師がほとんどした。
 クリニックはFES(機能的電気刺激 Functional Electrical Stimulation)という高度先進医療を行っていて、国や県からも援助を受けていた。

 守さんを支援する「首都圏の会」では以下の通り記しています。
 北陵クリニックの事実上のオーナーは、FES(機能的電気刺激)治療の権威とされる半田康延・東北大学教授、副院長は妻の半田郁子医師でした。国と県から多額の補助金を受け、研究事業が成果を上げれば新産業が創出されるとして、地元の名士が理事に名を連ねました。しかし経営難で老人ホームなどから重症や高齢の患者を受け入れるようになり、薬剤師をリストラで辞めさせたり、救急処置のできる医師が退職した結果、高齢の急変・死亡患者が増え、また他病院へ搬送される小児患者が増えました。そんな中、半田教授からA子さんの急変について相談を受けた法医学教授が宮城県警に足を運び、筋弛緩剤の可能性を示唆したのです。県警はA子さんや死亡した患者に筋弛緩剤が点滴投与されたものと思い込み、点滴処置を行った守さんを犯人視しました。そして2001年1月6日、守さんを任意同行し、強引な取調べで供述を誘導して「自白」を引き出し、逮捕してしまいました。

 半田教授は月の内数回しか来なかった。患者の手術後のアフターフォローも悪く、感染症を引き起こしていた。また、クリニックを辞めても何も言うな、言ったら県内の医療機関では働けないぞとも言われた人がいる。

 全く、まともな医療機関としては成り立っていなかった状況が理解された。

 篠原さんの講演のあと、裁判で認定された方法で実物を使って点滴の様子を再現した。これでは人を殺すことが出来ない方法であることが好く理解できた。

 各県の取り組みも報告されたが、徳島・広島を除いて十分とは言えなかった。

裁判員読本 冤罪判決実例大全―プロ(裁判官)の常識は素人(市民)の非常識

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 31日は本藤修さん(国民救援会中央本部副会長・広島の呉)による「第1次再審請求棄却後どのような闘いがもとめられているか」という講演があった。A4版20ページに及ぶレジメで、救援会発行の出版物(大衆的裁判闘争のすすめ方など)や、「裁判員読本 冤罪判決実例大全」などを使って話され、原則的な運動の重要さが理解できた。講師は守さんの事件の判決文を精査して、その矛盾点・問題点を明らかにしており、いかに裁判官が非科学的で、先に判決有りきの結論を導いてきたかが明らかにされた。詳細は省く。

 来年も岡山で交流会を開催することが確認されたが、各県が今まで以上の取り組みを行い、一日も早く守さんを取り戻す運動を進める必要性がわかった交流会であった。



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どどいつ入門(中道風迅洞 1986年 徳間書店
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