日肝協総会と「ドキュメント ブラック企業」

 11月2日〜3日に栃木県の宇都宮市で、「第24回日肝協 全国代表者会議・語らいの場 in とちぎ」があり参加してきた。本来ならば事務局長が参加するところだったが、大事な用件があり私になった。全国から26患者会、2他団体、80名ほどが参加した。この間、日肝協の活動を全国・地域で支えてきた方が何人も亡くなられた。全員で黙祷をささげた。
 2日(日)は、開会式と分科会、交流会。開会式では、日本肝臓学会、国会議員、栃木県、宇都宮市、全国B型肝炎訴訟原告代表、薬害肝炎訴訟原告東北代表などから挨拶があった。私は第一分科会「テーマ:肝炎対策の推進について」に参加した。第二分科会は「テーマ:各患者会の運営及び今後の在り方」、第三分科会は「テーマ:肝炎の治療と生活指導・食事療法」で講師は岡村幸重先生(佐野厚生総合病院・消化器内科主任部長)であった。
 第一分科会では、この間日肝協、全国B型肝炎訴訟原告団弁護団、全国薬害肝炎訴訟原告団弁護団が取り組んできた、①ウイルス性肝硬変・肝がんに係る医療費助成制度を創設すること。②身体障害者福祉法上の肝機能障害による身体障害者手帳の認定基準を緩和し、患者の実態に応じた認定制度にすること。について報告された。残念ながら国会請願の採択は実現できなかったが、前進面もあるとの評価であった。2項目ともある程度検討が進んでいるとのことで、これを早い時期に実現するには、今まで以上の取り組み、3団体の協力共同と同時に、今までの枠にこだわらないもう少し幅を広げた運動が必要と感じた。この請願については240名ほどの国会議員が紹介議員になってくれた。それでも請願が採択されなかったのは、財源問題が大きかったようだ。自民党は医療費助成を含め肝炎対策をどうするかプロジェクトチームを立ち上げる予定だと聞いた。多くの議員に入ってもらって、議論してもらいたいと思う。各都道府県でも国へ意見書を挙げる取り組みがされていて、38都道府県532地方自治体議会が意見書を国会に提出している(10月末現在なので、今はもっと増えている)。日本の人口1億人を越える自治体で私たちの取り組みが支持されているということだろう。愛媛県富山県滋賀県では全自治体が意見書を採択している。個人署名も52万筆に到達した。
 千葉県・兵庫県の方から取り組みの報告があった。長野などの進んだ県からも発言があった。私は、この間の取り組みについて、B型肝炎訴訟弁護団の果たした役割について発言した。


 栃木肝臓友の会の会員さんが作って全員にプレゼントしてくれた。

 開会のあいさつをする渡辺代表幹事

 3日(祭)は代表者会議、全体集会があった。厚労省からは肝炎対策推進室長の鈴木章記さんが来てあいさつをされた。代表者会議では提案された活動報告、決算報告、監査報告、活動方針、予算報告、幹事推薦名簿が提案どおり採択された。また、全体集会では「栃木アピール」が提案され採択された。来年は大阪での開催になる。
 アピールでは、「日肝協は各患者会と一緒になって、肝臓病で苦しむ患者全てが医療費助成や生活支援を受けられる施策と、肝炎から肝がんまで効果のある薬剤・治療法の開発・研究の推進を働きかけていきます。肝炎対策基本法を根拠法として、『国の肝炎対策推進協議会の場で』、『厚生労働省や各党国会議員への働きかけで』、『地域の肝炎対策協議会の場で』、私達の願いの実現をめざし、皆で協力し推進していきましょう。」と呼びかけた。

 集会を準備した栃木の皆さん、大変ご苦労様でした。


 今の日本は、ブラック企業が蔓延している。経済界は勿論だが政府もきちんとした対策を取っていない。非正規雇用が増え続け、ブラック企業の後押しをしている。こうなった原因の大きなものは、労働者派遣法だろう。朝日新聞 (朝刊 オピニオン1 2014-05-23)によれば、労働者派遣法は以下のようだ。
 1986年に施行。「派遣労働は例外的な働き方」という原則のもと、現行法では「専門性が高い」とされる26業務以外では最長3年しか派遣を受け入れられない。改正案では、労働組合の意見を聞いたうえで3年で人を入れ替えれば、ほとんどの業務で無期限に派遣を使い続けられるようになる。派遣労働者数は127万人(2013年)。

 この法律と共に、労働者の非正規雇用が大変多くなり、若者の働く場の環境悪化、賃金低下、長時間労働が増えてきた。正社員ではない雇用者の数は、2006年には1,700万人を超え、雇用者の3人に1人を占めている。パート、アルバイト、派遣労働者契約社員など、様々な名称で呼ばれている。男性では18%、女性では50%ほどが非正規雇用である。これで女性の社会進出などを言っているのが大変おかしい。結婚できない、子どもを産めない、子どもを保育所に入れれない、まともな住宅に住めない、などの状況改善を政府は言うが、実態は全く反対の方向に進んでいる。アベノミクスは国民の願いに反する政策でしかないと思う。
 本書では、「ブラック企業を撲滅するためには、行政や労働法制の見直しも含めたさまざまな取り組みが必要です。しかし、もっとも重要なのは、泣き寝入りせずに闘うことです。」と指摘している。しかし闘うといってもどう闘うのか、手段がわからなければ闘えない。泣き寝入りせず闘う武器を本書では紹介している。



我が家の郷土玩具  島根・出雲今市土人形  おぼこ 1988年1月購入


どどいつ入門(中道風迅洞 1986年 徳間書店
○妻の寝顔が菩薩に見える なんと綺麗な月明り
○桃が咲こうが桜が咲こか やつぱり逢えない日が続く
○昔ののろけをちよつぴり乗せて 話し上手のお菓子皿

B型肝炎訴訟をお考えの方は、全国B型肝炎訴訟弁護団へご相談を!http://bkan.jp/