集団的自衛権と道徳の教科化と「アサヒグラフ」・「週刊朝日」

 国会論議がたけなわだ。安倍総理集団的自衛権の行使を盛んに言っている、その一方で道徳の教科化も推進しようとしている。だいぶ前に面白いものを、今はなくなった古書店「モウラ」で購入したので、開いてみた。「アサヒグラフ」(昭和12年11月17日号)である。
 安倍総理の進んでいる道を考えると、集団的自衛権の行使と道徳の教科化が合体してつまりはこの写真の様になってしまうのではないかと大きな危惧を抱いている。昭和12年(1937年)は満州事変を経て、日中の全面戦争が始まった。A3サイズより少し小さい画面には、特輯 支那戰線寫眞第17報、上海戰線の大勝 という大きな字が踊っている。


 その24・25ページに「戰地のお父さんとお兄さんへ」というページがあり、子どもたちの寫真を紹介している。寫真には説明書きが添えられているので、それも紹介しよう。


 これは表紙裏の日清サラダ油の広告。「国防の充実は飛行機から 銃後の健康は 新鮮なサラダ料理にあり」と書いている。


 「今日は明治節です。僕等健児は雨の中勇ましく皇軍萬歳の行進をしました。」(11月3日宮城前を行進する少年団)


 上「友達と戦利品の展覧会を見に行きました。勇ましい皇軍が分捕った支那のタンクや大砲が沢山あります。だけど血だらけのパラシュートを見た時は、とても兄さんの事が心配になりました」
 下「ボクタチダッテツヨイデショ イマニツヨイヘイタイサンニナッテ サーベルサゲテ オウマニノルノ」
 (12月18日、大阪住吉区、育英幼児園園児等の戦勝遊び)


 「今日は大場鎮を破ったほんとうに楽しい日です。私達は先生に連れられて宮城前に集まって、手に手に持った旗を天までとどけとふりあげ、声一ぱい皇軍萬歳を叫びました。(10月27日)


 「廟行鎮がまた日本軍に占領されたという翌々日、僕達の運動会に肉弾三勇士競技会がありました。僕達はほんとうの三勇士の様な悲壮な気持ちで、爆薬筒をしっかり抱えて進みました。(10月28日堺市舳松小学校の運動会)


 「偉大な戦果に暮れた昨年茲光輝ある新年を迎ふるに際し、わが陸海将兵の善謀勇戦がラジオニュースに、新聞に報道されるごと銃後国民は感激に魂の打ちしびれ、血のたぎり立つを覚えて今年こそ決意を新たにし戦争生活に徹して更に甲斐ある開戦二年目に突進しよう」
 週刊朝日 昭和18年(1943年)1月17日号。ある大企業が社名を最近ナショナルに戻したのは、このようなことを予測しての事だったのだろうかと勘ぐってしまうのも無理はないか。


どどいつ入門(中道風迅洞 1986年 徳間書店
◯酔つてほんのり静かな宿で 旦那待つ間にやる浮気
◯他人になる気をへしつぶ程の 残り火種にこがす闇
◯角がたつのを気づかう嫁が のんだ言葉にみぞを知る
 こんな軟弱なものを掲載すると「非国民」という罵声が掛けられるのかな。

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