「東京の下層社会」紀田順一郎・ノウゼンカズラ満開

 最初に出版されたのが、1990年。今から25年も前になる。とは言え、解説の長山靖生が「張りぼての繁栄の陰で、疎外され、忘れ去られた下層民たちの実態を探り、いまなお日本人の意識の根底にある弱者への認識の未熟さと社会観のゆがみを焙り出す。」と言っているが、昨今の社会状況を見ると、ますます解決への道が遠ざかっているように感じる。
 生活保護費の切り下げ、派遣労働の恒久化、ヘイト・スピーチ、無宿人の増加など、問題は多い。本書の大見出し・小見出しを見ると、その状況がそのまま現在に残っているのである。貧富の差がますます拡大して、社会保障制度が形骸化されてきて生きていくこと、人として生きていくことが妨げられてきている。

 わが家のノウゼンカズラが満開になった。

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どどいつ入門(中道風迅洞 1986年 徳間書店
◯きのうしたことたたんでみたが 傘の狭さに見た思い
◯駅の握手にいつしかちから こめてわびしいくすり指
◯遠火で愛したわびしい炎 だまって燃やしてこがす胸