「B型肝炎 なぜここまで拡がったのか」岩波ブックレット

B型肝炎――なぜここまで拡がったのか (岩波ブックレット)

B型肝炎――なぜここまで拡がったのか (岩波ブックレット)

 本書については、9月15日のブログで少し触れた。B型肝炎訴訟全国原告団弁護団はこの本を大々的に普及して、国民に広くB型肝炎訴訟について理解をいただき、肝炎の恒久対策実現を求めていくつもりである。B型肝炎訴訟全国弁護団は、そのホームページで恒久対策について、以下のように紹介している。 
 「平成23年6月、全国B型肝炎訴訟原告団弁護団と国との間で「基本合意書」が締結され、それを元に同年12月「特定B型肝炎ウィルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が制定されました。しかし、これによって救済されることができるのは要件を備える事が出来る患者の方々のみであり、全てのウィルス性肝炎患者のうち一部の方々にすぎません。
 また、和解が成立した原告も和解金は得ても被害がなくなるわけではありません。将来の症状の悪化、治療費の負担、及び偏見差別による被害やこれらへの不安はなくなりません。
 このようなことから、私たち全国B型肝炎訴訟弁護団は、国と和解し、解決金を受け取ることのみを目標としているわけではありません。私たちは、原告団とともに、全てのウィルス性肝炎患者が安心して暮らせる社会の実現を求めて活動しています。

 このような活動を恒久対策活動と呼んでいます。
 国も、基本合意書において、「国(厚生労働省)は、本件感染被害者を含む肝炎患者等が、不当な偏見・差別を受けることなく安心して暮らせるよう啓発・広報に務めるとともに、肝炎ウィルス検査の一層の推進、肝炎医療の提供体制の整備、肝炎医療に係る研究の推進、医療費助成等必要な施策を講ずるよう、引き続き務めるものとする。」と約束しています。
 私たちは、恒久対策の目的を実現するために、国と協議する場を勝ち取っており(「基本合意書」参照)、毎年、厚生労働省の大臣との間で、より良い肝炎対策制度実現のための協議を行っています。
 恒久対策活動はまだまだ始まったばかりです。全ての肝炎患者が安心して暮らせる世の中を作るために、皆さんの力を結集しなければなりません。共に力を合わせて頑張りましょう。」
 国民はじめ、厚労省、医療関係者、自治体に、肝炎患者の実態、B型肝炎訴訟の拡大原因と患者の置かれている状況を知っていただくことは、ウイルス性肝炎の撲滅のためには欠かせない条件である。
 このブックレット、全体が64ページとコンパクトではあるが、◯B型肝炎訴訟とは何か ◯なぜ拡がったのか ◯B型肝炎の感染原因をめぐる研究史 ◯B型肝炎という病気 が書かれており、理解しやすい内容になっていると思う。是非、ご一読ください。
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B型肝炎訴訟をお考えの方は、全国B型肝炎訴訟弁護団へご相談を!
 我が家の庭にも、金木犀が咲き出しいい匂いがしている。


瀬尾茂信著(義父) 歌集「光十字に」から、
◯銃弾では死なぬと信ずる紅槍匪邪教の集団制圧ならず
◯弁髪と二間柄の槍の紅槍匪想像絶す自警軍団
◯二十四歳愈々来たか決戦と身の回り整理しあと悔いはなし
◯「没有法子香煙進上」と処刑うく八路の兵の肝太かりし
◯力つき引揚げ中に自爆せし戦友の小指を形見とて持つ
◯「うおーん」と唸る野犬の遠吠えに屍衛兵の背筋も凍る
紅槍匪:中国の農民自衛組織
没有法子香煙進上:ルビに「メイユファズ シアンイエン シンジョ」とある。意味は、「どうしようもない、たばこをくれ」
八路:中国共産党の軍隊
屍衛兵:戦病死した兵士の屍を警備する