「火花」北条民雄と「不苦労」

火花―北条民雄の生涯 (角川文庫)

火花―北条民雄の生涯 (角川文庫)

 同じタイトルでも又吉の芥川賞受賞作品ではない。 
 角川文庫に収載されているが、私が読んだのは最初に出版された飛鳥新社版。大阪梅田の古書店「書砦 梁山泊」で購入した。2ヶ月ほど前に読み終えたのだが、紹介が遅れた。この本が書かれた時点(1999年)では、北条の出生地・本名は明らかにされていない。まだまだ、ハンセン病に対する偏見が残っているためであった。
23歳で若くして亡くなった北条民雄の伝記である。
 北条 民雄(1914年9月22日 - 1937年12月5日 正しい表記は「北條民雄」)。は小説家。ハンセン病となり隔離生活を余儀なくされながら、自身の体験に基づく名作『いのちの初夜』などを遺した。本名:七條晃司(しちじょう こうじ)。以前にも書いたが、徳島県阿南市生まれであった。川端康成にその才能を高く評価された。『いのちの初夜』は文学会賞を受賞し、芥川賞候補にもなった。北条の壮絶で生々しい生き様が活写されている。北条は川端を師と仰ぎ、彼の鎌倉の家も訪問している。北条の死後、川端は多摩全生園を訪れ、彼の亡骸と面会した。

 昨日は、きのこハウスで職員採用面接があったので、私も立ち会った。小さな作業所では職員確保が大変である。障がい者施設職員の労働・賃金・生活の実態をつかんで、国が処遇改善策を変えなければ何時までたっても事態は変わらない。
 安倍首相は、「介護離職ゼロを目指して、介護施設の整備や、介護人材の育成を進め、在宅介護の負担を軽減する」「仕事と介護が両立できる社会づくりを、本格的にスタートさせたい」との考えを表明した。しかし介護現場の現状も聞かずして、さらに財源の裏付けなど具体策を欠いている状況では、改善はおぼつかない。障がい者政策についても同様である。消費税増税で得られた財源を、社会保障につぎ込むという口実で、実は財界の要求に応じて法人税率の低減うをするのが実態であると思う。
 きのこハウスの喫茶店で、松ぼっくりの作品がおいてあった。聞いてみると、支援者の方が作ってきて販売しているという。ふくろうである。「不苦労」とかけているのである。

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鶴彬の川柳歌集「手と足をもいだ丸太にしてかえし」
◯干鰯(ほしいわし)の如く群衆眼をぬかれ
◯重税に追われ漁村に魚尽きる
◯窓の無い獄壁を叩いて三千年
◯仏像の封印切れば犬の骨
◯絞られる生活白痴の子が殖える