うれしいハガキと、医療講演会・B型肝炎訴訟相談会

 昨日(26日)はきのこハウスの職員採用面接があったので行ってきた。

 また、昨日は思いがけなくもうれしいハガキが届いた。連れ合いの中学の担任で国語の先生からであった。ハガキを少し引用すると、「このたびは、私の詩集「山里の変貌」を有川さんのホームページで紹介していただきありがとうございます。半月ほど前、友人がそのことを知らせてくれたので、久しぶりに苦手のパソコンを操作してモニターで見て、とてもうれしく思いました。」と書かれていた。先生の詩集について書いたのはだいぶ以前だったと記憶しているので調べてみた。そうすると2014年12月12日のブログが出てきた。せっかくだから、その部分を再掲する。
 松崎慧さんは元中学校の国語教師である。連れ合いが中学校のときの担任だったから、その付き合いは50年余り。私も40年余り前から知っている。小説や詩を書き、徳島作家という同人誌もやっていたから、本格的である。今までにも、何冊か著書を頂いている。徳島新聞の文化欄にも時々文章が載っている。詩人の野上彰は徳島出身だが、野上の詩碑の建設にも力を注いでいた。
 あとがきには以下のように書いている。
 「『OGORO』という同人詩誌に参加していた。1996年1月から2004年11月までの10年間。主宰は『詩人会議』会員の立川千年だった。『オゴロ』は徳島の方言でモグラ土竜)のことである。モグラから思い浮かんでくるイメージは、土着性の濃い無名者の生活態度であり、思想である。(中略)『山里の変貌』は『OGORO』創刊より終刊19号まで、毎号1編を発表していたのだが、その19編を集めてこの小詩集に収録した。」
 オゴロがモグラのことを言う徳島方言だということを初めて知った。いくつかの国語辞典で調べてみると、載っていない。ネットで調べてみたら、大阪や愛媛でもあるようだから、徳島だけの方言ではないようだ。
 詩集には、「山里の変貌」だけでなく、他に16編も収録されている。山里の変貌は、松崎さんが愛した美馬市穴吹町の山間地(母親の出里であろうか)に住んでいた懐かしい人々との交流が描かれ、時代の推移とともに人・風景がどんどん変わってゆく(集落として崩壊してゆく)様子が愛惜をこめて表現されている。住民たちは、ほとんど自給自足のような生活を送って
いる。少し長いが1つだけ紹介する。
 
 愛三じいさんのいた日々
 軒下の濡れ縁に腰をかけて
 白木蓮の花を見ながら
 煙草を吸うていた
 庭先の竹林の向こうでうぐいすが鳴いていた
 さくらの花びらが舞い散る中に立って
 一服ふかしながら山の斜面の畑を眺めていた
 そろそろ金時豆を播かねばとでもおもっていたのだろうか
 立夏のころには新茶の葉を摘み
 入梅前にはじゃがいもを掘っていた
 家の一段下の菜畑では
 きゅうりやなすを作っていた
 夏の長い日の午後は
 自家製の番茶を飲みながら一服していた
 縁先で猫と並んで昼寝をしているときもあった
 もう五、六年程も前の
 春から夏にかけてのことである
 その年の秋の終わりのころ
 じいさんは風邪をこじらせて寝込み
 年の暮れに肺炎で死んでしまった
 山の畑に播いた蕎麦の刈り取りもせずに
 白い花がさびしそうに咲いていたと
 ふもとに住んでいる友人が
 電話で知らせてくれた

 中学・高校ころの多感な時代に知り合う教師というものは、子どもにとって大変重要な位置を占めていると思う。松崎先生と知り合ったのはもう45年ほども前になると思う。今でもその人柄・見識に惹かれている。もうずっと昔、私の中学の国語の先生はキザで嫌いだった。しかし、その先生が授業の中で江戸末期の歌人・橘曙覧(たちばな あけみ)の「独楽吟」を教えてくれた。ここでの橘曙覧の歌は、私の生き方の道標の一つである。独楽吟の幾つかを紹介しよう。独楽吟は全部で52首ある。

たのしみは草のいほりの筵(むしろ)敷(しき)ひとりこゝろを靜めをるとき
たのしみはすびつのもとにうち倒れゆすり起(おこ)すも知らで寝し時
たのしみは珍しき書(ふみ)人にかり始め一ひらひろげたる時
たのしみは百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出(いで)きぬる時
たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
たのしみは空暖(あたた)かにうち翎(はれ)し春秋の日に出でありく時
たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時
たのしみは意(こころ)にかなふ山水のあたりしづかに見てありくとき
たのしみは尋常(よのつね)ならぬ書(ふみ)に畫(ゑ)にうちひろげつゝ見もてゆく時
たのしみはあき米櫃に米いでき今一月はよしといふとき
たのしみは物識人(ものしりびと)に稀にあひて古(いに)しへ今を語りあふとき
たのしみはまれに魚煮て兒等(こら)皆がうましうましといひて食ふ時
たのしみはそゞろ讀(よみ)ゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人をみし時
たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食(くひ)て火にあたる時
たのしみは書よみ倦(うめ)るをりしもあれ聲知る人の門たゝく時
たのしみは世に解(とき)がたくする書の心をひとりさとり得し時
たのしみは錢なくなりてわびをるに人の來(きた)りて錢くれし時
たのしみは湯わかしわかし埋火(うづみび)を中にさし置(おき)て人とかたる時
たのしみはとぼしきまゝに人集め酒飲め物を食へといふ時
たのしみは家内(やうち)五人(いつたり)五たりが風だにひかでありあへる時
たのしみは三人の兒どもすくすくと大きくなれる姿みる時
たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書(ふみ)を見る時
たのしみはいやなる人の來たりしが長くもをらでかへりけるとき
たのしみは衾(ふすま)かづきて物がたりいひをるうちに寝入(ねいり)たるとき
たのしみはわらは墨するかたはらに筆の運びを思ひをる時
たのしみは庭にうゑたる春秋の花のさかりにあへる時々
たのしみは數ある書(ふみ)を辛くしてうつし竟(をへ)つゝとぢて見るとき
たのしみはふと見てほしくおもふ物辛くはかりて手にいれしとき

 今日(27日)は午後から吉野川コミュニティセンター(吉野川市山川町)で肝炎医療講演会とB型肝炎訴訟相談会があったので、肝炎の会事務局長の近藤さんと参加した。
 今回の講師は吉野川医療センターの四宮先生で、県の肝炎対策協議会の委員もしてる。「B型肝炎C型肝炎の最新治療」と題して、1時間ほど話してくれた。最新の治療について、わかりやすく話してくださり、参加者にとっても理解の進むものだったと思う。参加者は41名で、四宮先生には初めて講演をお願いしたので、参加者がどうなるか心配していたが一安心。
先生の患者さんも多く来られたようでした。
 相談会では9組(新規3組?)だったと思うが、皆さん熱心に相談していた。
 相談会終了後、今後の日程を相談した。
 3月23日(水)4月の相談会案内と6月の講師依頼。
 4月16日(土)相談会
 4月26日は医療機関・県・肝疾患相談室訪問。
 6月4日(土)医療講演会・相談会(あわぎんホール)
 大阪から来られた先生方、ご苦労様でした。真鍋・増田両先生は前日から来ていたようで、「活魚水産」でコリャコリャしたようです。誘ってくれれば良かったのに。
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